Macは標準で、Zipファイルの解凍と圧縮機能を有しています。
さらに標準アプリ「アーカイブユーティリティ」の設定より、Zipの圧縮率や展開方法を細かく調整可能です。
本記事では、そんな隠れカスタマイズ機能について紹介します。
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MacのZipファイル展開/圧縮設定を変更する方法
手順①:「アーカイブユーティリティ」を起動する
Zip機能は、Mac標準アプリ「アーカイブユーティリティ」の環境設定よりカスタマイズできます。
が、「アーカイブユーティリティ」は通常のアプリ一覧”以外”の場所に隠れているため、起動方法に少し工夫が必要です。
本記事では、2パターンの手順を紹介します。
- 「Spotlight」でアーカイブユーティリティを検索して直接起動する
- Finder上で「アーカイブユーティリティ」の場所を見つけ起動する
それぞれ解説します。
「Spotlight」でアーカイブユーティリティを検索して直接起動する
「Spotlight」より”アーカイブユーティリティ”と検索すれば、すぐ起動できます。
Finder上で「アーカイブユーティリティ」の場所を見つけ起動する
まず、Finder上で下記ディレクトリへ移動して下さい。
/System/Library/CoreServices
⌘+shift+G でペーストすると、直接移動できて便利です。
次に「CoreServices」→「Applications」と進めば、「アーカイブユーティリティ」が存在するので、起動して下さい。
手順②:「アーカイブユーティリティ環境設定」を操作する
2パターンの手順いずれかで「アーカイブユーティリティ」を起動できたら、メニューバーより「環境設定」を開きます。
すると「アーカイブユーティリティ環境設定」ウインドウが表示されます。
ここでMacのZip機能に関わる、次の項目をカスタマイズできます。
Zipの解凍に関わる設定
- 展開したファイルの保存場所
- 展開後
Zipの圧縮に関わる設定
- アーカイブの保存場所
- アーカイブのフォーマット
- アーカイブ後
各項目について、それぞれ解説します。
展開したファイルの保存場所
Zipファイル解凍後、中身のファイルをどこに保存するか指定できます。
通常はZipファイルと同じディレクトリへ保存されますが、プルダウンメニューより好きな場所へ変更可能です。

解凍後、中身のファイルをすべて「ダウンロード」フォルダへ保存する設定例。
展開後
Zipファイル解凍が完了した後、Zipファイル自体の処理方法をプルダウンメニューより指定できます。
- アーカイブをそのままにする(デフォルト)
- アーカイブをゴミ箱に入れる
- アーカイブを削除
- アーカイブを移動

解凍後、Zipファイル自体を「ゴミ箱」へ移動させる設定例。
デフォルトでは1が選択され、元のディレクトリのままZipファイルは残ります。
2か3を選べば、解凍後にZipファイルが消えます。
2の「ゴミ箱に入れる」と3の「削除」の違いは、復元の可否です。
前者は「ゴミ箱」に一時保存されるため、後から復元も可能です。後者は「ゴミ箱」を経由せず完全削除されるため、後から復元できません。
4を選べば、解凍後もZipファイルを残しつつ、好きな場所へ移動できます。
展開した項目をFinderに表示
チェックを入れると、Zipファイル解凍が完了した後、中身のファイルがFinder上で自動表示されます。
解凍後すぐに中身をチェックできて便利です。

Zipファイルを解凍すると、中のファイルがFinder上で開かれる。
アーカイブの保存場所
Zipファイルへ圧縮後、生成されたZipファイルをどこに保存するか指定できます。
通常は元のファイルと同じディレクトリへ保存されますが、プルダウンメニューより好きな場所へ変更可能です。

圧縮後、できたZipファイルをすべて「ダウンロード」フォルダへ保存する設定例。
アーカイブのフォーマット
アーカイブ時のファイルの圧縮率(フォーマット=拡張子)を変更できます。
フォーマットの形式 | フォーマットの説明 | フォーマットの拡張子 |
---|---|---|
通常のアーカイブ | ファイルを一箇所にまとめる(圧縮はしない) | cpio |
圧縮アーカイブ | ファイルを一箇所にまとめ、かつ圧縮もする | cpgz |
Zipアーカイブ | 標準的なファイルの圧縮方法 | zip |
アーカイブ後
Zipファイルへ圧縮が完了した後、圧縮対象となった元ファイルの処理方法をプルダウンメニューより指定できます。
- ファイルをそのままにする(デフォルト)
- ファイルをゴミ箱に入れる
- アーカイブ元のファイルを削除
- ファイルを移動

圧縮後、元のファイルをそのままとする設定例。
デフォルトでは1が選択され、圧縮対象となった元ファイルはそのまま残ります。
2か3を選べば、圧縮後に元ファイルが消えます。
2の「ゴミ箱に入れる」と3の「削除」の違いは、復元の可否です。
前者は「ゴミ箱」に一時保存されるため、後から復元も可能です。後者は「ゴミ箱」を経由せず完全削除されるため、後から復元できません。
4を選べば、圧縮後も元ファイルを残しつつ、好きな場所へ移動できます。
アーカイブをFinderに表示
チェックを入れると、圧縮が完了した後、生成されたZipファイルをFinder上で自動表示されます。
圧縮後すぐにZipファイルを選択して、次の操作に移れるので便利です。
補足:「アーカイブユーティリティ」に関わるアレコレ
注意:圧縮設定は「アーカイブユーティリティ」経由時のみ適用
「アーカイブユーティリティ環境設定」の注意点として、「圧縮設定」はDock上の「アーカイブユーティリティ」を経由した圧縮に対してのみ適用されます。
大前提として、Mac標準機能で”圧縮”を実行する場合、3パターンの操作があります。
- 右クリックメニューから「圧縮」を実行
- Finderメニューバー「ファイル」→「圧縮」を実行
- Dock上の「アーカイブユーティリティ」へドロップして「圧縮」を実行
このうち「圧縮設定」が適用されるのは3のみで、1と2は対象外です。
1と2で圧縮を実行した場合、「圧縮設定」は強制的にデフォルトの設定値が適用されます。
圧縮のデフォルトの設定値
- アーカイブの保存場所:アーカイブ元のファイルと同じディレクトリ内
- アーカイブのフォーマット:Zipアーカイブ
- アーカイブ後:ファイルをそのままにする
そのため、カスタマイズした設定で圧縮を実行したい場合、Dock上の「アーカイブユーティリティ」アプリアイコンにドラッグ&ドロップした際に適用されます。

アーカイブのフォーマットを「圧縮アーカイブ(cpgz)」、アーカイブ後を「ゴミ箱に入れる」、の設定値が反映された例。
なお、Mac標準機能で”解凍”を実行するパターンは4つありますが、
- Zipファイルをダブルクリックで「解凍」を実行
- 右クリックメニュー「開く」から「解凍」を実行
- Finderメニューバー「ファイル」→「開く」から「解凍」を実行
- Dock上の「アーカイブユーティリティ」へドロップして「解凍」を実行
“解凍”を実行する場合は、すべての操作パターンで「アーカイブユーティリティ環境設定」の「解凍設定」が適用されます。
Macで圧縮を実行する基本操作方法
Mac標準機能で”圧縮”を実行する3パターンの操作方法を解説します。
- 右クリックメニューから「圧縮」を実行
- Finderメニューバー「ファイル」→「圧縮」を実行
- Dock上の「アーカイブユーティリティ」へドロップして「圧縮」を実行
1. 右クリックメニューから「圧縮」を実行
圧縮したいファイルを選択し、右クリックメニューより「圧縮」を実行する方法です。
2. Finderメニューバー「ファイル」→「圧縮」を実行
圧縮したいファイルを選択し、Finderメニューバー「ファイル」より「圧縮」を実行する方法です。
3. Dock上の「アーカイブユーティリティ」へドロップして「圧縮」を実行
まず事前準備として、「アーカイブユーティリティ」をDock上に配置する必要があります。

後は、圧縮したいファイルをドラッグして、Dock上の「アーカイブユーティリティ」へドロップして「圧縮」を実行する方法です。
Macで複数ファイルをまとめて/個別に圧縮する方法
詳細は先述の通り、Mac標準機能で”圧縮”を実行する場合、3パターンの操作があります。
- 右クリックメニューから「圧縮」を実行
- Finderメニューバー「ファイル」→「圧縮」を実行
- Dock上の「アーカイブユーティリティ」へドロップして「圧縮」を実行
このうち、1と2の方法で複数ファイルを選択して「圧縮」を実行すると、選択したファイルが1つのZipとして圧縮されます。
が、3の方法で圧縮を実行すると、ファイルが1つずつのZipとして個別に圧縮されます。
「システム環境設定」に「アーカイブ」パネルを登録する方法
「システム環境設定」にアーカイブ専用のパネルを追加すれば、「アーカイブユーティリティ環境設定」ウインドウをすぐ表示できます。
まず、Finder上で下記ディレクトリへ移動して下さい。
/System/Library/CoreServices
⌘+shift+G でペーストすると、直接移動できて便利です。
次に「CoreServices」→「Applications」と進み、「アーカイブユーティリティ」で右クリックメニューより「パッケージの内容を表示」を選択します。
そこから「Contents」→「Resources」と進み、「Archives.prefPane」をダブルクリックします。
すると「システム環境設定」へ「アーカイブ環境設定」を追加するか確認のポップアップが出るので、インストールをします。
これで「システム環境設定」内に新たなメニューが追加されます。
クリックすれば「アーカイブユーティリティ環境設定」ウインドウが表示され、MacのZip機能をカスタマイズできます。
ただこの手順をmacOS Mojave(10.14.3)で再検証したところ、次のメッセージが表示され、追加できませんでした。
- “アーカイブ”環境設定はインストールできません。“アーカイブ”環境設定はmacOSと共にインストールされたため、置き換えることはできません。
同様のエラーメッセージが表示される場合、記事前半で紹介したように「アーカイブユーティリティ」を起動した後、メニューバーより環境設定を開く手順をお試し下さい。
Zipを解凍できないエラーを解決する方法
「アーカイブユーティリティ」でZipを解凍しようとすると、次のような症状が発生して、展開をうまく完了できないケースがあります。
- 「その操作は許可されていません」エラーが表示される
- 「ファイルまたはディレクトリがありません」エラーが表示される
- “zip→cpgz→zip…”と圧縮ファイルが無限に生成される
このような問題が発生した場合に有効な解決策は2つあります。
- 専用のZip解凍ツール「The Unarchiver」を使う
- Zipファイルを再入手する
詳細は関連記事【MacでZipを解凍できないエラーを解決する方法! Windowsからダウンロードした圧縮ファイルがcpgzとなり開けない原因】で解説しています。

〆:設定変更よりZip処理を自動化をしよう!
以上、MacでZipの圧縮率を変更する方法! アーカイブユーティリティを有効にしてファイル展開設定をカスタマイズしよう の說明でした。
解凍したZipファイルの削除や、中身のファイルを閲覧する操作などの決まった操作があれば、「アーカイブユーティリティ環境設定」より自動化できて便利です。
ぜひ、ご参考あれ。
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でっ高圧縮の方法は?