この記事では、iPhone/iPadの仮想エミュレータUTMで、Androidを動かす方法を解説します。
動作は重く、再現性はかなり低いです。
ただ一部のデバイスで実際に動作したため、ネタ記事として、記録を残しておきます。
興味がある方はどうぞ。
UTMを使ってAndroidを動かす方法
UTM SEというエミュレータを使えば、仮想マシン上でAndroidを動かせる可能性があります。
App Storeで配信されるアプリで、脱獄(Jailbreak)不要です。
ただ成功率はかなり低く、手元のデバイスで検証した結果、1台のみ動作しました。
また起動に時間がかかる上、動作も重く、実用的ではありません。
以上を踏まえ、再現性は低いですが、もし興味があれば、以降の設定手順をどうぞ。
- 仮想マシンをビルドする
- Androidをセットアップする
1. 仮想マシンをビルドする
あらかじめ動かしたいAndroidのイメージファイルを用意して、iPhoneに移しておきます。
今回、Android 4.3を使いました。
UTMを開き、+ボタンから 新規マシン を選択。
起動ISOイメージとして、用意しておいたAndroidのイメージファイルをセットします。
ハードウェアは、メモリとCPUを調整します。
ストレージは、デフォルトのままでOKです。
共有ディレクトリは、デフォルトのままでOKです。
最後に 保存 しましょう。
ここで UTM SE をタップして、1つ前の画面に戻ります。
表示される仮想マシンを長押しで、編集 → QEMU と進みます。
UEFI起動 をオフにします。設定を 保存 しておくのを忘れずに。
これでエミュレータを動かす準備ができました。
2. Androidをセットアップする
▶アイコンをタップして、エミュレータを起動しましょう。
最初の起動画面で、以下を選択、Enter(= return キー)で決定します。
Live CD - Run Android-x86 without installation
ここからセットアップ中、画面は自動的に進んでいきます。
Androidロゴの状態から先に進むまで、かなり時間がかかるため待ちましょう。
また途中、以下メッセージが出る場合があります。
メモリが不足しています! UTMはまもなくiOSによって強制終了される可能性があります。 この仮想マシンに割り当てられているメモリやJITキャッシュの量を減らすことで防ぐことができます
何度も表示されて、UTMが強制終了となる場合、メモリを調整してみてください。
無事、起動ができると、初期設定画面が出ます。
いったんすべて、スキップしましょう。
Androidホーム画面まで表示されればOK。
iPhone/iPad上で一応、Androidを動かすことができました。
画面レイアウトがタブレット向けなので、横表示すると操作しやすいです。
言語は、設定から日本語へ切り替え可能です。
本当はPlayストアやブラウザの動作検証もしたかったのですが、ここでフリーズしてしまい、UTMが落ちてしまいました。
ちなみに本記事はAndroid 4.3で検証しましたが、Android 9.0のイメージファイルは、GitHubで公開されています。
Android 4.3ですら動作に時間がかかるため、仮想マシンでAndroid 9.0を動かすのはより現実的ではありませんが、興味のある方はどうぞ。
〆:iOS上でAndroidをエミュレートしよう!
以上、iPhone/iPadでAndroidを動かす方法! UTM仮想マシンを設定しよう の説明でした。
UTMの起動までに時間がかかり、成功率も高くないため、正直、通常のAndroidエミュレータ用途としては期待できないでしょう。
ただ、よくあるリモートデスクトップ(Androidを、遠隔でiOSから操作する)ではなく、iPhone/iPad上の仮想マシンとして、Androidを動かせるのはロマンがあります。
ちなみに、紹介したApp Store版のUTM SEは、Appleのポリシーに対応する関係上、スペックが落とされており、うまくエミュレータが動作しない場合もあります。
実はUTMには種類があり、ipaファイルをサイドロードする環境があれば、より高スペックバージョンのUTMアプリを導入することが可能です。
特にAltStoreがあれば、レポジトリから簡単にインストールできるのでオススメです。
ご参考ください。
関連記事 AltStoreのインストール方法
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