この記事では、iPhone/iPadの仮想エミュレータUTMで、Windowsを動かす方法を解説します。
動作はかなり重く、ネタ要素強めですが、興味がある方はどうぞ。
UTMを使ってWindowsを動かす方法
UTM SEというエミュレータを使えば、仮想マシン上でWindowsを動かすことが可能です。
App Storeで配信されるアプリで、脱獄(Jailbreak)不要です。
iPadで動かした動画です。
▼タップして再生(音は出ません)
説明の流れです。
- 仮想マシンをビルドする
- Windowsをセットアップする
1. 仮想マシンをビルドする
あらかじめ動かしたいWindowsのISOイメージファイルを用意して、iPhoneに移しておきます。

WindowsのISOイメージファイルを保存しておく
UTM SEを開き、+ボタンから UTMギャラリーからビルド済みパッケージをダウンロード します。

(左)+ボタン (右)赤枠をタップ
Webページが開くので、セットアップしたいOSを選択、UTMファイルをダウンロードします。

Windows XPを選択

ZIPファイルをダウンロード
ダウンロードしたZipファイルを展開して、中身のUTMファイルを選択するとUTM SEが開きます。
キャンセル で前の画面に戻ります。

(左).utmファイルを選択 (右)キャンセル
(空)となっているCD/DVDをタップして、用意しておいたWindowsのISOイメージファイルを選びます。
これでエミュレータを動かす準備ができました。▶アイコンをタップして、起動しましょう。

(左)CD/DVD (右)選択

(左)WindowsのISOイメージファイルを選択 (右)▶アイコンをタップして起動
2. Windowsをセットアップする
セットアップ中、画面は自動的に進んでいきますが、途中で何度かキーボード操作が必要です。
画面をタップすると◀ボタンが出るので、キーボードアイコンをタップしてキーボードを出現できます。
この手順で、最初の「セットアップの開始」はEnter(= return キー)を押して先に進みます。

(左)画面をタップ (右)◀ボタンが出るのでタップ

(左)キーボードアイコンをタップ (右)出現するキーボードでreturnキーを押す
ライセンス契約への同意は F8 キーを押す必要があります。
iPhoneを縦表示してる場合、キーボードをうまくスワイプしないと F8 キーが出てこないので注意しましょう。

F8 キーを押して、ライセンスに同意
キーボード種類では、半角/全角キーがないため、いったん S キーを押し、次の画面で、106日本語キーボードを選択します。

いったん S キーを押して、その他のキーボードを表示

106 Japanese Keyboardを選択する
パーティションは、デフォルトのまま進みます。
フォーマットは、以下を選択しました。
NTFSファイルシステムを使用してパーティションをフォーマット(クイック)

(左)パーティションを選択 (右)フォーマットを選択
ここからフォーマット、ファイルをコピーが進みますが、かなり時間がかかります。
気長に待ちましょう。

作業が進むのを待つ
ここまでのセットアップが終わると、自動的に再起動がかかり、懐かしのWindows XP起動画面が出ます。

(左)再起動 (右)Windows XP起動画面
ここからWindows XPのインストールが始まりますが、ここもかなり時間がかかります。
気長に待ちましょう。

作業が進むのを待つ
インストールの合間で、何度か追加のセットアップ操作を求められます。
以下はWindows XPの例ですが、画面にしたがって操作しましょう。
- 地域と言語
- コンピュータの名前
- プロダクトキー
- 日付と時刻…etc

(左)地域と言語 (右)名前

(左)プロダクトキー (右)コンピュータ名とパスワード
「Microsoft Windowsへようこそ」と表示されれば、もう少しです。
画面にしたがって、最後のセッティングを行います。

最後の初期設定を行う
Windows XPのデスクトップが表示されれば完了です。

Windows XPを起動できた
懐かしのゲームやアクセサリも動きました。

マインスイーパ

ピンボール

ペイント
操作動画です。
▼タップして再生(音は出ません)
なおUTM公式の導入手順では、追加でWindows Guest Toolsの導入も紹介されています。
一度、仮想マシンを終了したあと、長押しメニューから Windowsゲストツールをインストール しましょう。

(左)長押し (右)Windowsゲストツールをインストール
またInternet Explorerは古すぎるため、ブラウザ機能はろくに機能しません。
これは公式でも言及されており、対策としてFirefox 52 ESRをUTM共有ディレクトリ機能(UTM’s directory sharing feature)でインストールするやり方が紹介されています。
本記事では割愛するため、興味のある方は調べてみてください。

Internet Explorer自体はあるが…

動作しない
〆:iOS上でWindowsをエミュレートしよう!
以上、iPhone/iPadでWindowsを動かす方法! UTM仮想マシンを設定しよう の説明でした。
UTM SEの導入は時間がかかる上、Windowsの動作も重く、iPhone/iPadのバッテリー・ストレージ容量を多く消費します。
ただ、よくあるリモートデスクトップ(パソコンで動かすWindowsを、遠隔でiOSから操作する)ではなく、iPhone/iPad上の仮想マシンとして、Windowsを動かせるのはロマンがあります。
ちなみに、紹介したApp Store版のUTM SEは、Appleのポリシーに対応する関係上、スペックが落とされており、うまくエミュレータが動作しない場合もあります。
実はUTMには種類があり、ipaファイルをサイドロードする環境があれば、より高スペックバージョンのUTMアプリを導入することが可能です。
特にAltStoreがあれば、レポジトリから簡単にインストールできるのでオススメです。
ご参考ください。
関連記事 AltStoreのインストール方法
コメント