iPhoneはiTunesを使ってパソコンへバックアップできますが、バックアップデータはパソコン側の内部ストレージへ保存されるため、容量圧迫の要因となります。
特に昨今のiOSはストレージ量が128GBや256GBと大きい傾向があるため、いつの間にかパソコンのストレージ容量の大半がiTunesのバックアップデータだった、ということも。
そこで本記事では、Macと接続した外付けHDDへiTunesのiPhoneバックアップを保存する方法を紹介します。
Windowsで設定する手順は、関連記事【[Windows] 外付けHDDにiTunesのiPhoneバックアップを作成する方法! 保存先を変更してストレージ空き容量を増やそう】で解説しています。

事前準備
まず最初に、作業をする前に確認しておくべき事項を解説します。
iTunesのバックアップ先について
iTunesのバックアップは、「iCloud」か「このコンピュータ」か選択できますが、前者は容量に上限があるため、完全なバックアップを作成したい場合は、必然的に後者を選ぶことになります。
ただ、iTunesではバックアップ先のMacディレクトリを指定することはできず、強制的に下記へ保存される仕様となっています。
/Users/ユーザ名/Library/Application Support/MobileSync/Backup
上記ディレクトリは内部ストレージ直下となるため、例えばバックアップするiPhoneに大量の写真や動画が保存されている場合、バックアップデータもその分増大するため、結果的にMacのストレージ容量を圧迫してしまいます。
そこでMacの標準機能である「ターミナル」でシンボリックリンクを作成すれば、iTunesのバックアップ先を外付けHDDに変更してこの問題を解決できます。
外付けHDDについて
もしまだ外付けHDDをお持ちでない場合、これを機に購入を検討してみてはいかがでしょうか?
Macのストレージ容量の不足が心配であれば、1台持っておくと色々便利ですよ。
それでは、さっそく下記より外付けHDDにiTunesのiPhoneバックアップを作成する手順を紹介します。
Macで外付けHDDにiTunesのバックアップを作成する方法
手順①:バックアップデータのフォルダを削除する
まず、iTunesのバックアップデータが保存される現在のフォルダを削除します。
下記ディレクトリをFinderで表示して下さい。
/Users/ユーザ名/Library/Application Support/MobileSync/Backup
表示する方法は色々とありますが、例えば ⌘ + shift + G で、直接上記フォルダの場所をペーストして移動してもいいですし、
Finderのメニューバー「移動」を開き、 option を押しながら「ライブラリ」へ進んだ後、「Application Support」→「MobileSync」と開いてもいいでしょう。

「ライブラリ」項目はoptionキーを押さないと表示されない。
表示できたら、「MobileSync」直下の「Backup」フォルダ以下を削除します。
手順②:外付けHDDにフォルダを作成する
次に、新たにiTunesバックアップデータの保存先としたい外付けHDD上に専用フォルダを作成します。
フォルダは外付けHDD上の任意の場所に作成して構いませんが、フォルダ名は「Backup」として下さい。

ボクは外付けHDD直下の「iTunes」フォルダ内に「Backup」を作成した。
以上で下準備はOK。
手順③:ターミナルでシンボリックリンクを作成する
Macで「ターミナル」を起動し、

例えば、アプリケーション一覧より「ユーティリティ」→「ターミナル」で起動できる。
「ln -s 」と入力した後、先ほど外付けHDD上に作った「Backup」フォルダのディレクトリを入力します。
コマンドの入力が面倒であれば、「ln -s 」と入力した後に外付けHDD上の「Backup」フォルダをターミナル上にドラッグ&ドロップすれば自動入力できて便利です。
例えばボクの場合は、入力内容は下記のようになりました。
ln -s /Volumes/DATA/iTunes/Backup
続いて、下記ディレクトリを半角スペース空けた直後に入力します。
"/Users/ユーザ名/Library/Application Support/MobileSync"
留意事項は下記3点です。
- 半角スペース空けた直後に入力すること
- 「ユーザ名」の部分は自分のものへ変更すること
- ディレクトリの文字列全体をダブルクォーテーション(””)で囲むこと
最後に enter でコマンドを実行し、「MobileSync」フォルダ直下に外付けHDD上に作った「Backup」フォルダのシンボリックリンクが作成されれば成功です!
試しにiTunesでバックアップを実行してみて下さい。外付けHDD上に作った「Backup」フォルダにデータが保存されるはずです。
Macの内部ストレージ上(=/Users/ユーザ名/Library/Application Support/MobileSync)ではあくまでシンボリックリンクとして保存されるため、バックアップデータ量圧迫の心配はなくなります。
補足:
“Operation not permitted”と表示される場合
ターミナルでコマンドを入力しても次のエラーが表示され先に進めない場合があります。
- Operation not permitted
これは最新OS「macOS Mojave」のセキュリティ仕様変更が影響しており、今回のようにシンボリックリンクを作成する前にシステム環境設定で操作が必要です。
まず「システム環境設定」→「セキュリティとプライバシー」と進み、
「プライバシー」タブにて左項目より「フルディスクアクセス」を開き、
「ターミナル」を追加します。
設定は以上です。
ターミナルを再起動した後、コマンド入力してエラー表示されなくなればOK。
ほかの方法として、SIP(System Integrity Protection)システムガードを無効化することでも解決できますが、セキュリティ上のリスクが残るためあまりオススメできません。

注意:外付けHDDと非接続状態のバックアップはエラーとなる
今回の設定により、iTunesのバックアップ先は実質的に外付けHDDへ変更されました。
そのため、外付けHDDと接続されていない状態でiPhoneのバックアップをしようとするとエラーが発生し、先に進めなくなります。
iPhoneのバックアップは自宅でのみ実行するなら問題ありませんが、移動が多く外出先でも頻繁にバックアップを行う場合はデメリットとなります。
元のバックアップ先に戻す方法
もし当初の設定通りMacの内部ストレージ上にバックアップを保存したい場合、下記ディレクトリに作成したシンボリックリンクを削除し、
/Users/ユーザ名/Library/Application Support/MobileSync
もう一度iTunesでバックアップを実行すると、自動で内部ストレージ直下の「Backup」フォルダが作成されます(=初期設定に戻ります)。
そのほかMacで外部記憶媒体を使う便利な情報まとめ
本ブログではほかにも、Macと外部記憶媒体に関わる情報を記載しています。
例えばMacとWindowsの両方で外付けHDDを使用する場合、「ディスクユーティリティ」でパーティションを2つに分けることで、複数のデータ領域を作ることができます。

このような情報はまとめて関連記事【Macで外部ストレージを上手に使う豆知識まとめ! 外付け記憶媒体(HDD/USBメモリ/SDカード)とmacOSを連携しよう】で解説しています。

〆:iTunesバックアップデータ量の憂いをなくそう!
以上、外付けHDDにiTunesのiPhoneバックアップを作成する方法! 保存先を変更してMacのストレージ空き容量を増やす の說明でした。
ボクのMac(MacBook Air 11-inch, Mid 2013)は内部ストレージが128GBしかないため、iTunesバックアップデータは長年の悩みでもありました。
もし外付けHDDをお持ちで、自宅でしかバックアップを実行しないなら、本記事の設定はオススメできます。
ぜひ、ご参考あれ。
コメント
Windowsでのやり方を教えてください.
Windowsでのやり方は関連記事【[Windows] 外付けHDDにiTunesのiPhoneバックアップを作成する方法! 保存先を変更してストレージ空き容量を増やそう】で解説しています。
特に昨今のiOSはストレージ量が128GBや256GBと大きい傾向があるた...
こんにちは。これやってみたのですが、なぜか本体に外付けHDDに作成したファイルが出てきてしまい、矢印のマークがつきません。対処法はありますでしょうか。
Operation not permitted
と何度もやり直してもなるんですよ・・・
最新OS「macOS Mojave」よりセキュリティ仕様が変更されたため、事前に「システム環境設定」の「セキュリティとプライバシー」より「フルディスクアクセス」にターミナルを追加する操作が必要です。
詳細は記事中に追記しています。
MacBook Pro[128GB]で iPhoneXR[256GB]のバックアップを取るという為、外付HDD[2TB]を購入してアップルサポートに相談したものの、アップルでは対応していないとの事で困っておりました。
WEB検索で当ページを見つけ参考にさせていただきました。
おるくす さんのお陰でスムーズにバックアップを取ることが出来ました。
ありがとうございました。
外付けHDDにバックアップしたく参考にさせていただきました。
もう少し教えてください!
ターミナルでシンボリックリンクを作成し、mobileSync内に矢印付きのbackupファイルが作成された状態になりitunesで「今すぐバックアップ」を押しました。
しかし、バックアップ処理がPC上で行われているようで、「このコンピューターで十分な空領域が使用できない為、iphoneをバックアップできませんでした」となってしまいます。
何かやり忘れている可能性があることはありますでしょうか?
外付け:IO DATA(HDCA-U1.0K)、1TB(内100G使用中)
iphone:6s、128GB
助かりました。
ありがとうございました
はじめまして。
Macbookpro→Macbookairの買い替えの際に、アップルサポートで2つの外付けHDDをパーティションで写真とバックアップ用に設定したのですが、バックアップ用をほとんど繋がずにMacを使用していたせいか、
内蔵HDDがいっぱいになってしまいソフトのアップデートができなくなってしまい困っていたところ、こちらの記事を見つけ、読ませていただきました。
写真のHDDはあと少し、バックアップ用はかなり空きがあるので、内蔵HDDをスッキリさせたい場合どのようにしたら良いのでしょうか?iPhoneバックアップを新たに外付けHDDにすれば容量は空きそうですが。。
長くなって申し訳ありませんが、
アドバイスお願いできると幸いです。
よろしくお願い申し上げます。