この記事では、Macを使った手順で、SideStoreを導入する方法を解説します。
App StoreにないアプリをiPhoneへインストール、いわゆるサイドロードが可能となりますよ。
関連記事 WindowsでSideStoreをインストールする方法
SideStoreをインストールする方法
iPhoneでアプリをサイドロードする方法はいろいろありますが、無料で実現しようとする場合、共通して課題になるのが7日に1回の再署名です。
その点、SideStoreでは、初期設定こそパソコンが必要ですが、次の特徴があります。
- iPhone単体でアプリをサイドロード可能
- 再署名もiPhone単体で更新可能
脱獄(Jailbreak)環境も必要ありません。

iPhone単体で再署名できるため、わざわざパソコンで再設定する手間がいらない
SideStoreの導入にあたり、事前に準備が必要なものです。
必要なもの | 備考 |
---|---|
Mac | macOS 10.15以降 ※Windowsを使った手順はコチラ |
iPhone/iPad | iOS 14/iPadOS 14以降 |
USBケーブル | – |
Apple ID | 普段メインで使用しているApple IDとは別に、 2ファクタ認証を無効にした専用IDの用意を推奨 参考 Apple ID の 2 ファクタ認証 |
本記事ではM2 Mac(macOS Sonoma)を例に、以下の流れで説明します。
- AltServerをインストールする
- SideStoreをサイドロードする
- ペアリングファイルを作成する
- WireGuardのVPNを設定する
- SideStoreで最終調整する
1. AltServerをインストールする
Mac側で必要となるソフトをダウンロード・インストールします。
うちAltServerのZipファイルを展開して、中身をアプリケーションフォルダへ移します。

AltServerのZipファイルを展開

中身をアプリケーションフォルダへ移動
アプリAltServerを起動します。
何らかメッセージが出て失敗する場合、右クリックメニューから開いてください。
関連記事 Macで未検証のアプリを開く方法
メニューバーに専用アイコンが表示されます。

メニューバーに出現する
2. SideStoreをサイドロードする
iPhoneとMacをUSB接続します。
初めての場合、双方でメッセージが出るので、それぞれ許可してください。

Mac側「アクセサリの接続を許可しますか?」

iPhone側「このコンピュータを信頼しますか?」
まずMac側で作業します。
アプリAltServerを実行すると、メニューバーにアイコンが表示されます。
このアイコンを option キーを押しながらクリックして、Sideload.ipa → 接続中のiPhone名 と選択します。
.ipaファイルの選択画面になるので、ダウンロードしておいたSideStore.ipaを選びます。

option キーを押しながらクリックすると、メニューが出る

SideStore.ipaをセット
Apple IDでサインインします。

Apple IDでサインイン
なお以下メッセージが出る場合、無視しても特に問題ありませんでした。
"python3"コマンドを実行するには、コマンドラインデベロッパツールが必要です。 ツールを今すぐインストールしますか?

追加のツールインストールを要求されるメッセージ
次にiPhone側で作業します。
ホーム画面をみると、SideStoreが追加されていますが、これを認証する操作をします。

ホーム画面にアイコンが表示される
設定アプリを開き、一般 → VPNとデバイス管理 と進むと、サインインしたApple IDのメールアドレスが表示されます。
クリックして、信頼してください。

(左)一般 (右)VPNとデバイス管理

自分のApple IDのメールアドレスを信頼する

信頼して、検証済みステータスになる
またiOS 16/iPadOS 16以降の場合、デベロッパーモードを有効にする必要があります。
設定アプリを開き、プライバシーとセキュリティ → デベロッパーモード より
オンにします。

(左)プライバシーとセキュリティ (右)デベロッパーモード

デベロッパーモードをオンにすると、再起動が求められる

再起動後に出るメッセージ。オンにする
3. ペアリングファイルを作成する
ここからMac側の作業です。
ダウンロードしておいたJitterbugPairのZipファイルを展開して、jitterbugpairを実行します。
ダブルクリックだと開けない可能性があるため、右クリックメニューから開いてください。
関連記事 Macで未検証のアプリを開く方法

jitterbugpairの右クリックメニューから開く

開く
Mac側でアクセスに関する表示が出たら 許可 します。

フォルダ内のアクセスを許可
iPhone側で以下メッセージが出たら 信頼 してください。
このコンピュータを信頼しますか?

このコンピュータを信頼しますか?
ユーザーフォルダ直下に、以下のようなファイルが生成されます。
xxxx-xxxx.mobiledevicepairing
うまく作成されない場合、もう一度、jitterbugpairを実行してください。

SUCCESSと出る

.mobiledevicepairingファイルができる
このファイルをiPhone側へ移すのですが、事前にMac側でZipファイルへ圧縮をします。

.mobiledevicepairingファイルをZipへ圧縮

Zipファイルができた
できあがったZipファイルを何らかのオンラインストレージ(例:iCloud Drive)に保存します。
Macでの作業はこれで最後で、以降の手順はすべてiPhone側で作業します。
標準アプリファイルを開きます。
アプリが見当たらない場合、ホーム画面の検索機能より探しましょう。
“ファイル”と入力で見つかります。

(左)赤枠の検索をタップ (右)ファイルと入力で見つかる
ファイルで保存先のオンラインストレージを開きます。
Zipファイルを確認できたら、タップして、その場で展開します。

Zipファイルをタップして、中身を解凍する
ホーム画面からSideStoreを開くと、ペアリングファイルの選択を求められます。
Pairing File Select the pairing file for your device.

(左)SideStoreを開く (右)ペアリングファイルの選択
展開しておいた.mobiledevicepairingファイルを選択しましょう。
これでペアリング完了です。

(左)ペアリングファイルを選ぶ (右)メッセージが出なくなればOK
4. WireGuardのVPNを設定する
iPhone側の作業です。
WireGuardというアプリをインストールします。
こちらのリンクをタップして、共有メニューからWireGuardを選択します。
以下、Safari・Chromeでの操作例です。
▼Safariブラウザの手順

(左)ダウンロード (右)①→②とタップ

(左)赤枠を選択 (右)共有メニューを開き、WireGuardへ共有
▼Chromeブラウザの手順

(左)共有メニューを開く (右)WireGuardへ共有
WireGuardに画面が切り替わるため、VPN構成の追加を 許可 、またSideStoreを
オンにします。


(左)許可する (右)SideStoreをオン
5. SideStoreで最終調整する
iPhone側の作業です。
SideStoreを開き、「Settings」タブからApple IDにサインインします。

(左)Sign in with Apple ID (右)Apple IDにサインインする

サインイン成功後の画面
ただ動作が不安定で、最初の数回はエラーが出て失敗し、何度か繰り返して、サインインできました。

サインインに失敗したときの画面
最後にSideStoreを更新します。
「My Apps」タブで Refresh All をタップすると、更新がはしり、一度アプリが落ちます。
しばらく待ってから、再度SideStoreを起動します。

(左)Refresh All (右)アプリが自動で落ちて更新される

再度開き、更新完了
この操作は、7日に1回のタイミングで、署名が切れる前に実行する必要があります。


(左)署名切れが近づくと通知が出る (右)署名切れになると最初から導入しなおしが必要
設定は以上です。お疲れ様でした。
SideStoreでアプリを探す方法
SideStoreで新しいアプリの探し方は、主に2パターンです。
- 自分で用意したipaファイルからインストールする
- Sourcesに掲載される一覧からインストールする
自分で用意したipaファイルからインストールする
SideStoreを使えば、ipaファイルからアプリをサイドロードできます。
使いたいアプリのipaファイルをすでに持っていれば、こちらの方法がオススメです。
まず、導入したいアプリのipaファイルを入手して、何らかのオンラインストレージに保存します。
こだわりがなければ、iCloudに保存しましょう。
「My Apps」タブの+アイコンから、用意したipaファイルを選択します。
しばらく待つと、インストールが完了して、ホーム画面にもアイコンが追加されます。

(左)+アイコン (右)ipaファイルを選択

(左)インストール完了 (右)アイコンが追加される
Sourcesに掲載される一覧からインストールする
メジャーなアプリの場合、わざわざipaファイルを用意せずとも、指定したソースのアプリ一覧からインストールすることができます。
まず、「Browse」タブの Sources を開き、一覧からソースを追加します。

(左)Sources (右)追加したいソースを選ぶ

(左)Add Source (右)ソースが追加される
これで「Browse」タブに、追加したソースに掲載されるアプリが表示されます。
タップするだけで、インストールできます。

(左)アプリ一覧 (右)タップでインストールが始まる

(左)インストール完了 (右)アイコンが追加される
〆:iPhone単体でアプリをサイドロードしよう!
以上、MacでSideStoreをインストールする方法! iPhoneでIPAからアプリをサイドロードする使い方 の説明でした。
SideStoreの導入ステップは多く、簡単ではありません。
ただ一度Macで設定すれば、以降はiPhone単体でIPAファイルなどからアプリをサイドロード可能となる魅力があります。
欲しいアプリが公式のApp Storeで配信されていない場合、挑戦する価値アリですよ。
コメント
お世話になっております。
質問失礼します。
最後のiPhoneのsidestoreでのアップルID(アップルアカウント?)の登録が何回行ってもうまくいきません。
記事にも「安定してないため、数回試す。」と書いてありますが、何回試しても、エラーが出る。もしくはクルクルが止まらない状態です。改善策はございますでしょうか?
sideStoreのサイドロードの際に使用したアップルアカウントと同様のものでログインしようとはしています。
記事は隅から隅まで読んだつもりです。