本記事では、iPhone/iPadのアプリをダウングレードする方法を2パターンを紹介します。
特定のアプリバージョンへのダウングレード、もしくはアップデートが可能になります。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
①: iTunesを使う |
|
|
②: AppStore++を使う |
|
|
どちらも共通して、以下2点は不要です。
- 脱獄(Jailbreak)環境
- ダウングレードしたいアプリバージョンのバックアップ
条件を満たすiPhone/iPadをお持ちであれば②を、それ以外は①をどうぞ。
iTunesでダウングレードする方法
iTunes 12.6.5とCharles Proxyというソフトを組み合わせれば、パソコンからの操作でアプリバージョンを下げることが可能です。
脱獄(Jailbreak)環境や、対象アプリバージョンのバックアップもいりません。
ただしパソコンのOSは、Windowsのみ対応しています(Macは不可)。
操作の流れです。
- iTunes 12.6.5を用意する
- Charles Proxyで証明書をインストールする
- 対象アプリのビルド番号を調べる
- Breakpointを作成する
- 古いバージョンのアプリを入手する
- ipaファイルをインストールする
参考 GitHub – [Guide] How to Downgrade Apps on AppStore with iTunes 12.6.5 & Charles Proxy (no Jailbreak)
①:iTunes 12.6.5を用意する
かつてiTunesでは、iPhone/iPadのアプリ管理ができましたが、現在では不可となっています。
そこで昔のiTunesバージョン12.6.5にダウングレードして使用することで、当時のアプリ管理機能を使うことができます。
事前にパソコンに入っているiTunesをアンインストールします。
iTunes 12.6.5.3をインストールします。
iTunesを起動します。
ここで以下メッセージが出て、開けないことがあります。
ファイル [iTunes Library.itl] は新しいバージョンのiTunesで作成されているため、読み込めません。
解決策として、次の場所にある「iTunes Library.itl」ファイルを削除してください。
C:\Users\ユーザー名\My Music\iTunes\
iTunesを開いて、メニュー 編集 → 設定 で以下のチェックを外します。
新しいソフトウェア更新プログラムがあるか自動的に確認
メニュー アカウント → サインイン で、Apple IDにサインインします。
いったんiTunesの初期設定は、ここまでです。
②:Charles Proxyで証明書をインストールする
Charles Proxyをインストールします。
Charles Proxyを開き、メニュー Help → SSL Proxying → Install Charles Root Certificate と進みます。
証明書のインストール から画面にしたがって進んでいき、証明書ストアの参照先として「信頼されたルート証明機関」を選択します。
証明書をインストールします。
いったんCharles Proxyの初期設定は、ここまでです。
③:対象アプリのビルド番号を調べる
ダウングレードしたいアプリについて、対象アプリバージョンのビルド番号を調べます。
調べ方はいろいろありますが、ここではIPA Archiveというサイトを使います。
まず「App Name」に対象アプリ名、「Country」にJapanを選択して Search します。
一覧から対象アプリを見つけ、Download を選択して、画面にしたがって進みます。
対象アプリの歴代バージョンと、紐づくビルド番号が表示されます。
Version列にある、最初の9桁の数字がビルド番号で、後ろにバージョン番号が並びます。
この中からダウングレードしたいバージョンを見つけ、ビルド番号をメモしておきます。
④:Breakpointを作成する
iTunesとCharles Proxyを両方起動します。
まずiTunesで、ダウングレードしたいアプリを検索します。
メニュー「App」に切り替えましょう。
「App Store」タブで、アプリ名を検索、対象アプリを選択します。
「入手」をクリックすると、ダウンロードが始まります。
最新バージョンが入手できるだけで使用しないので、ダウンロード結果はすぐ削除して構いません。
次にCharles Proxyに切り替えます。
いくつかドメインが並ぶ中に、以下が表示されるはずです。
p**-buy.itunes.apple.com
このドメインを右クリックして、Enable SSL Proxying を選択します。
iTunesに戻り、ダウングレードしたいアプリを再入手します。
今回のダウンロード結果も、すぐ削除して構いません。
Charles Proxyに切り替えると、アイコンがついた以下ドメインが表示されます。
p**-buy.itunes.apple.com
下層に展開していき、「buyProduct」を選択して、アイコンをクリックします。
アイコンのついた「buyProduct」を選択して、Execute をクリック。
さらに「buyProduct」が追加されるので、右クリックして Breakpoints をチェックします。
⑤:古いバージョンのアプリを入手する
iTunesを開き、ダウングレードしたいアプリを入手します。
するとCharles Proxyで自動的に「Breakpoints」画面が表示されます。
「Edit Request」の「XML Text」に切り替えます。
ここで表示されるアプリのビルド番号は、デフォルトで最新バージョンとなっています。
これを先述した手順「③:対象アプリのビルド番号を調べる」で確認した、ダウングレードしたいバージョンのビルド番号に置き換えます。
最後に Execute を数回クリックします。
iTunesで保留となっていたダウンロードが再開されます。
これでダウングレードしたいバージョンのアプリを入手できます。
ダウンロードしたアプリファイル(.ipa)は、次の場所に保存されています。
C:\Users\ユーザー名\Music\iTunes\iTunes Media\Mobile Applications
あるいはiTunesのライブラリから、対象アプリの右クリックメニュー Windowsエクスプローラーで表示 で開くことも可能です。
⑥:ipaファイルをインストールする
iTunesからダウンロードしたアプリファイル(.ipa)のインストール手順はいろいろあります。
ここではAppManagerというソフトを紹介します。
GitHubのページからAppManagerを用意して、iPhoneとUSB接続しましょう。
Install new を開き、ダウンロードしたアプリファイル(.ipa)を選択します。
ファイルは、次の場所に保存されているはずです。
C:\Users\ユーザー名\Music\iTunes\iTunes Media\Mobile Applications
アプリのインストールが始まります。
以下メッセージが出ればOK。
Process ended with code 0 (Success)
対象アプリのバージョンが下がっており、起動できれば成功です。
なお、今回のやり方でiTunesからダウンロードしたアプリファイル(.ipa)は、サインインしたApple IDで認証されたものです。
したがって、いわゆるipaをサイドロードした場合と異なり、アプリの使用期限などの制限はありません。
また通常アプリと同じようにApp Storeのアップデート一覧に表示されるため、せっかくダウングレードしたのに誤ってアップデートしないよう注意しましょう。
AppStore++でダウングレードする方法
AppStore++なら、iPhone/iPad上の操作だけでアプリバージョンを下げることが可能です。
脱獄(Jailbreak)環境や、対象アプリバージョンのバックアップもいりません。
ただし初期設定で必要となるTrollStoreは、特定のiOSバージョンで存在するexploit(脆弱性)を利用している関係上、iOS 14.0〜16.6.1が条件となります。
操作の流れです。
- TrollStoreを導入する
- AppStore++をインストールする
- アプリをダウングレードする
①:TrollStoreを導入する
事前にTrollStoreを導入する必要があります。
詳しい手順は、Windows/Macにわけて、関連記事で解説します。
関連記事 WindowsでTrollStoreをインストールする方法
関連記事 MacでTrollStoreをインストールする方法
②:AppStore++をインストールする
GitHubから、AppStore++のipaファイルをダウンロードして、TrollStoreでインストールします。
ダウンロード直リンク AppStore++.ipa
これでAppStore++をインストールできました。
起動すると、インストール済みアプリが表示されます。
③:アプリをダウングレードする
AppStore++を開き、バージョンを下げたいアプリを長押しで、Upgrade/Downgrade よりダウングレード先のバージョンを選択します。
App Storeでインストールするとき同様、生体認証が求められます。
選択したアプリバージョンに下がっていれば成功です。
あまりに昔のバージョンを選択すると、お使いのiOSバージョンに非対応のため、ダウングレードできない場合もあります。
なお、ipaファイルから、アプリをサイドロードする方法はいろいろあります。
ただ今回紹介したTrollStore以外のやり方でAppStore++をインストールしても、機能しません。
〆:好きなバージョンへアプリをダウングレードしよう!
以上、iPhoneアプリをダウングレードする方法! 元の旧バージョンをインストールしよう の説明でした。
iPhoneのアプリはアップデートにより改善されますが、下記のようなデメリットもあります。
- アップデート後にアプリがうまく動作しなくなった
- アップデート後のデザインや機能が好きになれない
そのようなシーンで、旧バージョンのアプリに戻すやり方を知ってると便利です。
ネット上でもダウングレード方法はいろいろ紹介されてますが、「脱獄環境」or「対象アプリバージョンのバックアップ」が必要なパターンが多いです。
その点、今回紹介したやり方なら、それら条件は不要なので、(別の条件はありますが・・・)、興味があればお試しあれ。
コメント