スマートフォンのテザリング機能を使えば、外出先でWi-Fiスポットがない場所でもパソコンでインターネット接続できて便利です。
基本的な特徴や使い方は関連記事【スマートフォンのテザリング機能特徴まとめ! Wi-Fi/Bluetooth/USB接続のメリットとデメリット】で解説しています。

一方注意点として、自宅や会社、カフェなど利用できるWi-Fi環境がある場所でテザリングを解除し忘れると、いつまでも接続状態が維持されるため、パケット量をムダに消費するリスクがあります。
そこで本記事では、自宅や会社周辺など特定エリアの入退出をGPSで検知して、Androidのテザリング機能を自動でオフとする方法を紹介します。
具体的にはAndroid向け自動化アプリ「MacroDroid」を使って、特定条件下で起動するマクロ(タスクの自動化)設定をします。
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特定の場所でAndroidのテザリングを無効化する方法
手順①:自動化アプリを入手する
まず、Androidに自動化アプリ「MacroDroid」をインストールします。
本アプリの基本情報や使い方について、詳細は関連記事【MacroDroid – Androidでマクロを組んで作業を自動化! デザインもクールで使いやすい無料アプリ】で解説しています。

「MacroDroid」のインストールが完了したら、アプリトップ画面右上の「マクロを追加」より作成開始できます。
大まかなマクロ作成の流れを整理します。
- トリガー:場所のトリガー(自宅周辺に入ったら)
- アクション:テザリング設定(テザリングを無効化)
- 条件:Wi-Fiテザリング設定(テザリングが有効中)
さっそく設定してみましょう。
手順②:トリガーを設定する
マクロ(自宅周辺に入ったらテザリングを無効化)のトリガーを設定します。
トリガー候補一覧より「Location」→「場所のトリガー」と選び、「MacroDroid」アプリで位置情報の利用を許可します(初回のみ設定)。
次にオプションにて「指定エリアに入った時」にチェックを入れ「OK」を選択すると、「自宅周辺」のゾーン選択画面となります。
ただ初めての場合は「ジオフェンス」候補が何もないので、新規作成のため右下「+プラス」アイコンをタップします。
「ジオフェンス」設定画面では地図が表示されるので、自宅周辺にピンを合わせ範囲を調整します。

東京駅周辺の例。範囲スライダを左右に動かすことで円を大きくしたり小さくできる。
範囲を狭く(=円を小さく)した方が、より自宅に近付いてからテザリングをオフに変更できます。
ただAndroidのGPS機能もズレが生じることがあるため、範囲が狭すぎると実際は自宅にいるにも関わらずGPSの誤差で検知できず、結果としてマクロが正常に動作しないリスクもあります。
以上より、多少なりとも自宅を含んだ広い範囲と(=円を大きく)することをオススメします。
範囲の調整ができたら、作成した「ジオフェンス」の名前を決め、「✓チェック」アイコンをタップするとジオフェンス候補に追加されます。

今後自宅以外にも、会社周辺の「ジオフェンス」を作成する可能性を考え、分かりやすい名称にするのがオススメ。
以上で「指定エリアに入った時:自宅周辺」のトリガー設定ができました。
画面を右にスワイプし、「アクション」画面へ移ります。
手順③:アクションを設定する
マクロ(自宅周辺に入ったらテザリングを無効化)のアクションを設定します。
アクション候補一覧より「Connectivity」→「テザリングのオン / オフ」を選び、
オプションより「テザリングを無効化」にチェックを入れます。
同時に「Wi-Fiを有効化」も選択できます。自宅で接続しているWi-Fi環境があれば設定しておくべきでしょう。
以上で「テザリング設定:テザリングを無効化」のアクション設定ができました。
また同時に動作させるアクションとして「通知」→「通知を表示」より、
自宅周辺に入ったら「テザリングを無効化した」旨の通知が届くようにするとマクロ動作が可視化されて便利です。
以上、「通知を表示」は任意設定ですが、2つのアクション設定ができました。
画面を右にスワイプし、「条件」画面へ移ります。
手順④:条件を設定する
条件を設定します。
「条件」は任意なので設定しなくてもマクロ作成は完成できますが、「トリガー」とは別の前提条件を追加したい場合に設定します。
今回のマクロ(自宅周辺に入ったらテザリングを無効化)は「テザリングがオンの状態」を前提としているので、条件候補一覧より「Connectivity」→「Wi-Fiテザリングの状態」と選び、
「Wi-FiテザリングがONの状態」にチェックを入れます。
以上で「Wi-FiテザリングがONの状態」の条件設定ができました。
右下の「✓チェック」アイコンをタップします。
手順⑤:マクロ名称を決めて完了!
最後にマクロの名前を決めます。今後新しいマクロを作成する可能性を考慮して、区別しやすい名称にすると良いでしょう(後から名前の変更はできます)。
作成したマクロはアプリトップ画面左上の「マクロ」より確認ができ、内容の編集や設定の有効化 / 無効化の切り替えも可能です。
マクロが完成したら、実際に動くか試してみましょう。
例えば下記のようなマクロを有効化した状態で、
- トリガー:場所のトリガー(自宅周辺に入ったら)
- アクション:テザリング設定(テザリングを無効化)
- 条件:Wi-Fiテザリング設定(テザリングが有効中)
外出先でテザリングをオンにした状態で、自宅周辺に近付いてみます。
すると”テザリング無効化”を知らせる通知が届き、「テザリング機能のオフ」&「Wi-Fi機能のオン」が自動で実行されました!
補足:
「自宅にいる間ずっとテザリングは無効化」ではない
今回トリガーとした「ジオフェンス」は特定エリアの入退出を検知するため、自宅にいる間はテザリングをオンにする度に自動でオフになるわけではない点に留意して下さい。
- 正解:自宅に帰ってきた時点のみテザリングが自動でオフとなる
- 誤り:自宅にいる間はずっとテザリングが自動でオフとなる
例えば自宅に帰ってきてテザリングが自動でオフとなった後、一時的に手動でテザリングをオンにした場合、一度自宅から出て再度エリア内に入らない限り自動で無効化されません。
指定ネットワーク名(SSID)の検出をトリガーにできない
今回は「ジオフェンス」をトリガーとしましたが、位置検出はズレが生じるため、自宅や会社の指定ネットワーク名(SSID)をトリガーにするのが理想です。
ただ前提条件となる「テザリングがオンの状態」ではWi-Fi機能が強制的にオフとなり、SSID検出はWi-Fi無効状態では動作しないため選択できません。
そのほかMacroDroidで設定できるオススメマクロまとめ
本記事で紹介したマクロ以外にも、MacroDroidの便利な設定は無限に存在します。
例えば、普段接続しているWi-Fiのネットワーク名(SSID)検出可否をトリガーに、マナーモードのオン / オフ切り替え設定を自動化できます。
【マクロ①】
- トリガー:Wi-FiのSSIDの変化(自宅のWi-Fi SSIDを検出したら)
- アクション:バイブレーションを有効化/無効化(マナーモードを解除)
- 条件:任意(設定しなくてもOK)
【マクロ②】
- トリガー:Wi-FiのSSIDの変化(自宅のWi-Fi SSIDが検出されなくなったら)
- アクション:バイブレーションを有効化/無効化(マナーモードを設定)
- 条件:任意(設定しなくてもOK)

また、Bluetoothデバイス(例:イヤホン / スマートウォッチ)の紛失防止のため、下記マクロでBluetoothの切断を検知し通知表示できます。
- トリガー:Bluetoothイベント(デバイスの切断を検知したら)
- アクション:通知を表示(デバイスの切断を警告)
- 条件:任意(設定しなくてもOK)

それ以外にも多数のマクロ設定例を関連記事【MacroDroidでオススメのマクロ集まとめ! ルーティン作業はアクション/トリガーで自動化しよう】でまとめて解説しています。

そのほかWi-Fiに関わる便利な情報まとめ
今回取り上げた以外にも、本ブログではAndroidのWi-Fi機能に関わる様々な情報を掲載しています。
例えば「WiFi Prioritizer」というアプリを使えば、周囲にあるより速いWi-Fiへの接続先自動切り替えが可能となります。

また、「開発者向けオプション」の「Wi-Fiを強制的にモバイル接続に切り替える」機能を有効化することで、Wi-Fi環境が不安定な状況で、自動的にモバイルデータ通信へ接続が切り替わるようになります。

このようにAndroidのWi-Fiをより快適に利用する豆知識は関連記事【[Android] Wi-Fi機能関連の便利な豆知識まとめ! 知ってると得する裏ワザ的な使い方】でまとめて解説しています。

〆:テザリングの”切り忘れ”を防止しよう!
以上、自宅や会社でテザリングを自動でオフにする方法! アクセスポイントの解除忘れを防止しよう [Android] の説明でした。
テザリングを解除し忘れて失敗した経験があれば、ぜひ紹介したマクロで自動化してみて下さい。
今回は「ジオフェンス」をトリガーとしましたが、MacroDroidでは他にも沢山の組み合わせが考えられるため、自身の使い方に合わせた”テザリング切り忘れ予防策”を設定できるといいですね。
ぜひ、ご参考あれ。
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