本記事では、macOSをダウングレードする3パターンの方法をまとめています。
方法 | 前提条件 |
---|---|
①:インストールディスクを作成して OSをダウングレードする |
Macと接続できる 外部メディアが必要 |
②:Time Machine バックアップから復元する |
事前にTime Machine のバックアップが必要 |
③:インターネットリカバリで 購入時のOSバージョンに戻す |
特になし |
手順は少し面倒ですが、安定して成功する方法①が最もオススメです。
方法②・③は比較的シンプルな操作内容ですが、お使いのMac環境によって失敗するケースを確認しています。
Macアプリバージョンのダウングレード方法をお探しの場合、関連記事【Macでアプリを旧バージョンにダウングレードする方法! macOSでApp Storeの古いソフトをTime Machineで復元しよう】で解説しています。
方法①:インストールディスクを作成してOSをダウングレードする
以下の流れで、macOSをダウングレードする方法です。
- ダウングレードしたいmacOSデータを入手する
- 外部メディアで起動可能なインストーラーを作成する
- 起動ディスク画面からOSをインストールする
前提条件として、Macと接続できる外部メディア(例:USBドライブ/SDカード)が必要となります。
1. ダウングレードしたいmacOSデータを入手する
Apple公式ページでは、過去のmacOSバージョンのダウンロードリンクが掲載されます。
ここからダウングレードしたいOSデータを入手して下さい。
▼ダウンロード直リンク
macOSバージョン | ダウンロード形式 |
---|---|
Ventura 13 | App Store からダウンロード |
Monterey 12 | |
Big Sur 11 | |
Catalina 10.15 | |
Mojave 10.14 | |
High Sierra 10.13 | |
Sierra 10.12 | ディスクイメージ(.dmg) ファイルをダウンロード |
El Capitan 10.11 | |
Yosemite 10.10 | |
Mountain Lion 10.8 | |
Lion 10.7 |
App Storeからダウンロードの場合
ここ最近のOSバージョンであれば、App Storeからダウンロードとなります。
ダウンロード完了後、以下メッセージが表示されますが、無視してOK。
"●●(macOSバージョン名)"は新しいバージョンのmacOSからは開けません。 詳しくは、https://support.apple.com/HT201372 を参照してください。
ディスクイメージ(.dmg)ファイルをダウンロードの場合
少し前(Sierra以前)のOSバージョンであれば、ディスクイメージ(.dmg)ファイルからダウンロードとなります。
.dmgファイルを展開して、インストーラーを実行しましょう。
2. 外部メディアで起動可能なインストーラーを作成する
Macと接続できる外部メディア(例:USBドライブ/SDカード)を用意して下さい。
macOSデータは15GB前後あるので、最低でも16GB以上の空きが必要です。
外部メディアをMacと接続してから、ターミナルを開きます。
ダウングレード先のmacOSバージョンごと、以下コマンドを実行します。
引用 Appleサポート – macOSの起動可能なインストーラを作成する方法
▼Ventura
sudo /Applications/Install\ macOS\ Ventura.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MyVolume
▼Monterey
sudo /Applications/Install\ macOS\ Monterey.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MyVolume
▼Big Sur
sudo /Applications/Install\ macOS\ Big\ Sur.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MyVolume
▼Catalina
sudo /Applications/Install\ macOS\ Catalina.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MyVolume
▼Mojave
sudo /Applications/Install\ macOS\ Mojave.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MyVolume
▼High Sierra
sudo /Applications/Install\ macOS\ High\ Sierra.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MyVolume
▼El Capitan
sudo /Applications/Install\ OS\ X\ El\ Capitan.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MyVolume --applicationpath /Applications/Install\ OS\ X\ El\ Capitan.app
「Password:」と表示されるので、Macのログインパスワードを入力します。
続いて「本当に外部メディアを初期化してもよいか?」と確認が表示されるので、以下を入力します(一文字だけ)。
y
ここから外部メディアへ、macOSデータの書き込みが始まります。
最終的に「Install media now available…」と表示されれば完了です。
外部メディアが、macOSのインストーラーに生まれ変わります。
3. 起動ディスク画面からOSをインストールする
まずMac本体の電源を落とします。
電源を入れた直後から option キーを押し続けます。
起動ディスク選択画面で、「Install macOS ●●(バージョン名)」を選択。
いつものアカウントで、ログイン時のパスワードを入力します。
ユーティリティウインドウで、ディスクユーティリティを選びます。
サイドバーで「Macintosh HD」を選び、ツールバーの消去ボタンをクリックします。
ここで、ボリューム名称とフォーマット形式を決めます。
項目 | 選択内容 |
---|---|
ボリュームの名前 | Macintosh HD ※任意の名称へ変更も可能 |
フォーマット | 以下より選択 ・APFS ・Mac OS拡張(ジャーナリング) ※環境によっては片方のみ表示 |
消去 ボタンより実行します。
「消去プロセスが完了しました」と表示されればOK。
完了 をクリックします。
ディスクユーティリティを終了 しましょう。
ユーティリティウインドウで「macOS ●●(バージョン名)インストール」を選択して、画面に従って操作していきます。
先に初期化したボリュームを選択して、macOSのインストールを開始します。
macOSのインストールは時間がかかるため、気長に待ちましょう。
初期設定画面が表示されれば、完了です。
macOSのバージョンを表示して、ダウングレードできているか確認しましょう。
▼ダウングレード前(macOS Monterey)
▼ダウングレード後(macOS Big Sur)
以上、インストールディスクを作成してOSをダウングレードする方法でした。
macOS Big Surを例に説明しましたが、macOS MojaveやmacOS High Sierraへのダウングレードも、同様の手順で成功しています。
また今回はIntelプロセッサ搭載のMacで検証していますが、Appleシリコン搭載のM1・M2 Macでも似たような流れでダウングレード可能です。
3つのダウングレード方法の中で、最も汎用性の高い手順となりますので、ぜひどうぞ。
参考:APFS disks may not be used as bootable install mediaと出る場合
ターミナルでインストールディスクを作成する際、以下メッセージで失敗するケースがあります。
APFS disks may not be used as bootable install media. An error occurred erasing the disk.
これは外部メディアのフォーマットが、APFSとなってるのが原因です。
ディスクユーティリティで、Mac OS拡張へフォーマットを変更しましょう。
サイドバーで「外部メディア」を選び、ツールバーの消去ボタンをクリックします。
ここでフォーマット形式を、Mac OS拡張(ジャーナリング)にしてから、消去 を実行します。
これでMac OS拡張へフォーマットできました。
再度、ターミナルでインストールディスクを作成してください。
実行するコマンドに応じて、外部メディアの名称を変更するのもお忘れなく。
もし変更先フォーマットとして、Mac OS拡張(ジャーナリング)が表示されない場合、ストレージのボリュームを選択している可能性があります。
表示メニューより すべてのデバイスを表示 にチェックを入れましょう。
これで外部メディアのストレージを選べます。
方法②:Time Machineバックアップから復元する
以下の流れで、macOSをダウングレードする方法です。
- 事前にTime Machineでバックアップしておく
- macOS復旧画面でバックアップから復元する
前提条件として、ダウングレード先のOSバージョンでバックアップした、Time Machineデータが必要となります。
なおダウングレード前後のOSバージョンの組み合わせによっては、残念ながら失敗することを確認しています。
詳しくは本パート後半で解説します。
1. 事前にTime Machineでバックアップしておく
あらかじめTime Machineで、ダウングレード先のOSバージョンでバックアップしている必要があります。
すでに新しいバージョンへアップデート済みの場合、残念ながら別で紹介するダウングレード方法をどうぞ。
2. macOS復旧画面でバックアップから復元する
まずMac本体の電源を落とします。
電源を入れた直後から ⌘ + R キーを同時長押しします。
ユーザー選択画面で、パスワードがわかるアカウントを選択、パスワードを入力します。
ユーティリティウインドウで、Time Machineバックアップから復元を選びます。
バックアップデータが保存されるディスクを選択します。
複数のバックアップデータが存在する場合、復元したいmacOSバージョンを選択しているか留意しましょう。
復元先のディスクを選択します。
ログインパスワードが要求されるので入力、復元 を実行しましょう。
繰り返しになりますが、この操作によりMac内のデータがすべて消えます。
大切なデータがあれば、別の場所へバックアップしておきましょう。
復元が始まるので、しばらく待ちましょう。
初期設定画面が表示されれば、完了です。
macOSのバージョンを表示して、ダウングレードできているか確認しましょう。
▼ダウングレード前(macOS Catalina)
▼ダウングレード後(macOS Mojave)
参考:macOS Monterey→Big Surのダウングレードは失敗
Time Machineの復元作業は、macOS Monterey→Big Surのダウングレードで失敗しました。
具体的には、ユーティリティウインドウで操作を進めたところ、
以下メッセージが出て、先に進めませんでした。
このバックアップからデータを転送するには、移行アシスタントを使用する必要があります。 必要に応じてmacOSを再インストールしてから、移行アシスタントを使用してバックアップからデータを転送してください
表示されたメッセージに従い、macOS Montereyをクリーンインストールしてから、初期設定の「移行アシスタント」で操作をしてみました。
ただmacOSのバージョンを表示したところ、ダウングレードできていませんでした。
すべてのOSバージョンの組み合わせは検証できていませんが、最近のOSバージョンからのダウングレードは、同様に失敗する可能性が高いかもしれません。
以上、Time Machineバックアップから復元する方法でした。
3つのダウングレード方法の中で、最も操作手順がカンタンなので、条件に当てはまればオススメです。
一方、記事中で触れたとおり、新旧OSバージョンのパターンによっては失敗するケースもあるため、その場合は別の方法をどうぞ。
方法③:インターネットリカバリで購入時のOSバージョンに戻す
以下の流れで、macOSをダウングレードする方法です。
- インターネットリカバリーで工場出荷時のOSバージョンへ戻す
- 目的のOSバージョンへアップデートする
他の方法と比較して、事前に用意が必要となるものはありません。
ただし購入時のバージョンは自由に選べないため、目的のmacOSでない場合、ダウングレード後の再アップデートという、2ステップの作業が必要です。
例えば以下ケースの場合、まず1→2へダウングレードした後、2→3へアップデートとなります。
- 現在のOSバージョン:Monterey
- 工場出荷時のOSバージョン:High Sierra
- ダウングレードしたいOSバージョン:Catalina
1. 工場出荷時のOSバージョンへダウングレードする
電源を入れた直後から ⌘ + R + option + shift キーを同時長押しします。
画面に従ってネットワークへ接続、言語を選択します。
ユーティリティウインドウで、ディスクユーティリティを選びます。
サイドバーで「AppleAPFSMedia」を選び、ツールバーの消去ボタンをクリックします。
ここで、ボリューム名称とフォーマット形式を決めます。
名前は「Macintosh HD」、フォーマットはデフォルトでよいでしょう。
消去 ボタンより実行します。
「消去プロセスが完了しました」と表示されればOK。
完了 をクリックします。
ディスクユーティリティを終了 しましょう。
ユーティリティウインドウで「macOSを再インストール」を選択して、画面に従って操作していきます。
初期設定画面が表示されれば、完了です。
macOSのバージョンを表示して、ダウングレードできているか確認しましょう。
2. 目的のOSバージョンへアップデートする
購入時のバージョンが古すぎる場合、任意のmacOSバージョンへアップデートしましょう。
Apple公式ページでは、過去のmacOSバージョンのダウンロードリンクが掲載されます。
ここからアップデート先のOSデータを入手して下さい。
▼ダウンロード直リンク
macOSバージョン | ダウンロード形式 |
---|---|
Ventura 13 | App Store からダウンロード |
Monterey 12 | |
Big Sur 11 | |
Catalina 10.15 | |
Mojave 10.14 | |
High Sierra 10.13 | |
Sierra 10.12 | ディスクイメージ(.dmg) ファイルをダウンロード |
El Capitan 10.11 | |
Yosemite 10.10 | |
Mountain Lion 10.8 | |
Lion 10.7 |
そのまま新しいOSバージョンのインストールが始まります。
macOSのバージョンを表示して、アップデートできているか確認しましょう。
▼アップデート前(macOS High Sierra)
▼アップデート後(macOS Catalina)
補足:macOSダウングレードに関するアレコレ
本パートでは、Macのダウングレード操作に関連する、細かい情報を補足します。
- 補足①「復旧サーバ上のインストーラ情報が壊れています」等エラーが起きる場合
- 補足②Mac起動時のキーコンビネーション(⌘+R系統)の違い
「復旧サーバ上のインストーラ情報が壊れています」等エラーが起きる場合
お使いのMac環境と、インストールしようとするOSバージョンの相性によって、思わぬエラーが発生する可能性があります。
以下、自分が実際に遭遇したことのあるエラー例です。
▼エラー例①:「復旧サーバ上のインストーラ情報が壊れています」と表示が出る
▼エラー例②:円に斜線が入ったマークが表示される
参考 Appleサポート – 円に斜線が入ったマークがMacの起動時に表示される場合
この場合、いったんダウングレード作業は諦めて、元の最新バージョンのMacへ戻しましょう。
電源を入れた直後から ⌘ + R + option キーを同時長押しします。
ユーティリティウインドウで、ディスクユーティリティを選びます。
サイドバーで「Macintosh HD」を選び、ツールバーの消去ボタンをクリックします。
ディスクユーティリティを終了して、ユーティリティウインドウで「macOSを再インストール」を選択します。
初期設定画面まで進めば、復旧完了です。
このような不具合を避けるためにも、お使いのMacと互換性のないOSバージョンを、無理やりインストールすることは控えましょう。
歴代OSバージョンの対応状況は、Apple公式ページでまとまっています。
Mac起動時のキーコンビネーション(⌘+R系統)の違い
本記事中では、Mac起動時に押下する ⌘ + R 系統のキーコンビネーションとして、3種類が登場しました。
それぞれ似てるようで、役割が異なります。
押下するキーの組み合わせ | 機能 |
---|---|
⌘ + R | お使いのMacに入っている 現在のmacOSバージョンを再インストール |
⌘ + R + option | お使いのMacと互換性のある 最新macOSバージョンを再インストール |
⌘ + R + option + shift | お使いのMacで工場出荷時の macOSバージョンを再インストール |
参考 Appleサポート – macOSを再インストールする
⌘ + R キー
現在、MacにインストールされているmacOSバージョンのまま、OSを再インストールします。
主にMacを初期化したいシーンで役立ちます。
一方、OSインストール作業中に何らかのエラーが発生した場合、⌘ + R キーでは問題のあるOSバージョンを再インストールしてしまうため、解決できないケースも。
このようなシーンでは、次に紹介する ⌘ + R + option キーをどうぞ。
⌘ + R + option キー
お使いのMacと互換性のある、最新バージョンのmacOSを、インターネット経由でインストールします。
macOSのインストール・ダウングレード作業に失敗して、とりあえず正常な最新OSバージョンに戻したいシーンで重宝します。
⌘ + R + option + shift キー
お使いのMacで最初に入っていた、最も古いバージョンのmacOSを、インターネット経由でインストールします。
主にMacのOSをダウングレードしたいシーンで役立ちます。
〆:Mac環境に合った方法でOSをダウングレードしよう!
以上、MacのOSをダウングレードする方法まとめ! macOSのソフトウェアバージョンを下げてアップデートを元に戻そう の説明でした。
ボクが検証で使ったMacBook Pro 2017 13インチでは、方法①(インストールディスクを作成する)が最も安定していました。
また方法②(Time Machineを使う)・方法③(インターネットリカバリを使う)どちらも、ネット上で様々な方が記録を残しているため、合わせてご参考下さい。
条件さえ満たせば、自由に過去のOSバージョンを行き来できますので、ぜひどうぞ。
参考 Appleサポート – macOSをダウンロードする方法
参考 Appleサポート – macOSを再インストールする方法
参考 Appleサポート – Macに付属していたバージョンまたはそれより新しい互換性のあるバージョンのMacオペレーティングシステムを使う
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