Androidでは定期的にOSのバージョンアップ(アップデート)が行われます。
バージョンアップにより機能面・セキュリティ面が強化されるため、基本的にはアップデートは推奨されます。

一方で、バージョンアップ後に次のようなデメリットに気づき、「できれば元に戻したい」と感じることもあるでしょう。
- 動作が重くなった
- 電池もちが悪くなった
実はPixel / NexusシリーズはGoogleがFactory Image(ファクトリーイメージ)を公開しているため、過去のイメージファイルから好きなOSバージョンへ戻せる可能性があります。
【Factory Imageとは?】 – Google純正Android端末で提供される、工場出荷状態のイメージファイルのこと。これを用いることで過去のOSバージョン戻すことができる。
引用 通信用語の基礎知識
そこで本記事では、ファクトリーイメージを使ってGoogle純正端末のOSバージョンをダウングレードする方法を紹介します。
ファクトリーイメージを読み込むことで、Androidのデータは初期化されます。
必要なデータはあらかじめバックアップしておきましょう。

本記事の内容はGoogle純正端末(Pixel / Nexusシリーズ)に特化しています。
その他の機種でOSをダウングレードする方法は、関連記事【AndroidのOSをダウングレードする方法まとめ! スマホのソフトウェアバージョンを下げてアップデートを元に戻そう】で解説しています。

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事前準備
ファクトリーイメージを読み込む事前準備をします。
- パソコンのadb環境を整える
- USBケーブルを用意する
- ブートローダーをアンロックする
パソコンのadb環境を整える
お使いのパソコンでadbコマンドを使用できる環境を用意して下さい。
Windows・Macそれぞれにおける手順は関連記事で解説しています。


USBケーブルを用意する
AndroidのUSB端子の形状(micro USB / Type C)に合わせ、ご準備下さい。
ブートローダーをアンロックする
ファクトリーイメージを読み込むAndroidでブートローダーをアンロックする必要があります。
手順の詳細は関連記事【Nexus 6Pでブートローダーをアンロックする方法! Bootloader UnlockでカスタムROM/リカバリを起動しよう】で解説しています。

以上で準備完了です。
Google純正端末(Pixel/Nexus)でOSバージョンをダウングレードする方法
作業の流れは次の通りです。
- ファクトリーイメージをダウンロードする
- ファクトリーイメージをAndroidに読み込む
- AndroidのOSダウングレードを確認する
2の操作はパソコンのOSによって異なるため、WindowsとMacに分けて解説しています。
ファクトリーイメージをダウンロードする手順
まずGoogleのデベロッパー向けサイトからファクトリーイメージをダウンロードします。
端末ごと歴代のAndroid OSバージョンが公開されているため、ダウングレードしたい希望バージョンを見つけて下さい。

Nexus 6PのAndroid OS 7.1.2のイメージをダウンロードする例。
ダウンロードしたファイルは展開して下さい。
次にAndroidのブートローダーを起動して下さい。
Nexus 6Pの場合、電源をオフにした状態で、電源 キーと 音量下 キー2つを同時に長押しし、画面が変わるまで押し続けます。
すると通常とは異なる画面で本体が起動し、ドロイド君のお腹がパカっと空いた画面が表示されます。
以降の流れはWindowsとMacで異なるため、それぞれ解説します。
Windowsでファクトリーイメージを読み込む手順
ブートローダーを起動したAndroidとパソコンを接続します。
その後、展開したフォルダに含まれるファイル”flash-all.bat”をダブルクリックで起動します。
コマンドプロンプトが自動起動し、ファクトリーイメージの読み込みが進みます。
しばらく時間がかかるため、待ちましょう。
最後に次のメッセージが表示されれば完了です。
Finished. Total time: ●●s
Macでファクトリーイメージを読み込む手順
ブートローダーを起動したAndroidとパソコンを接続します。
その後”cd”コマンドを使って、カレントディレクトリをダウンロードしたファクトリーイメージのフォルダへ変更します。
まず下記コマンドを入力し、後ろに半角スペースを空けます。
cd
続けてダウンロードしたファクトリーイメージのフォルダをドラッグ&ドロップし、 enter で実行します。
するとカレントディレクトリが変更されます。
試しに下記コマンドを実行して下さい。
ファクトリーイメージのフォルダに含まれるファイルが表示されるはずです。
ls
最後に下記コマンドで”flash-all.sh”ファイルを実行します。
sh flash-all.sh
ファクトリーイメージの読み込みが進みます。
しばらく時間がかかるため、待ちましょう。
最後に次のメッセージが表示されれば完了です。
finished. total time: ●●s
AndroidのOSダウングレードを確認する手順
ファクトリーイメージの読み込みに成功すると、Android側で自動的に再起動・初期化が進みます。

最初の初期設定画面が表示される。
初期設定後、「設定」からAndroid OSバージョンを確認し、ダウングレードできていれば成功です!

Android 8.1から7.1.2へダウングレードした例。
ファイル”flash-all.bat”の実行に失敗する原因と解決策
ファイル”flash-all.bat”を実行してもうまくいかない場合、よくあるミスとその対処法を解説します。
エラー:waiting for any device
コマンドプロンプトで次のメッセージが表示された場合、
- waiting for any device
Androidのブートローダーが起動されているか確認して下さい。
エラー:パスはサポートされません
コマンドプロンプトで次のメッセージが表示された場合、
- パスはサポートされません
ダウンロードしたファクトリーイメージが保存されるパスを確認して下さい。
例えば、adbコマンドのパスを通した「Android SDKプラットフォームツール」を保存したディレクトリが「C:\」直下の場合、ファクトリーイメージも「C:\」直下に保存する必要があります。
もし「Desktop」や「Documents」に保存されたままファイル”flash-all.bat”を実行すると、このようなエラーが表示されます。
エラー:Checking product FAILED
コマンドプロンプトで次のメッセージが表示された場合、
- Checking product FAILED
ダウンロードしたファクトリーイメージが端末に対応していない可能性があります。
例えばPixelのファクトリーイメージ”sailfish”をNexus 6Pに読み込もうとしても、正しいファクトリーイメージは”angler”となるため、このようなエラーが表示されます。
改めてGoogleのデベロッパー向けサイトから対応するファクトリーイメージをダウンロードして下さい。
補足:
元のAndroid OSバージョンに戻す方法
ダウングレード後に元のAndroid OSバージョンへ戻したい場合、2つ方法があります。
- 通常のOTAアップデートを実行する
- 最新のファクトリーイメージを読み込む
通常のOTAアップデートを実行する
ダウングレード後、しばらくするとOTAアップデートの通知が表示されます。
実行すればAndroid OSをアップデートして元通りになります。
OTAアップデート手順の詳細は、関連記事【AndroidのOSバージョンを調べアップデートする方法! 最新機能へソフトウェアを上げよう】で解説しています。

最新のファクトリーイメージを読み込む
ダウングレード時と同じ流れで、Googleのデベロッパー向けサイトから最新のファクトリーイメージを見つけ、読み込むことでAndroid OSバージョンが元通りになります。
アプリのバージョンをダウングレードする方法
インストールしているアプリ個別のバージョンをダウングレードしたい場合、旧バージョンのapkから復元する方法があります。
詳細は関連記事【Androidのアプリをダウングレードする方法! Google Play配布ソフトを元の旧バージョンへ戻そう】で解説しています。

〆:PixelやNexusを好きなOSバージョンへダウングレードしよう!
以上、PixelやNexusのOSをダウングレードする方法! Googleファクトリーイメージでソフトウェアバージョンを下げよう の説明でした。
OSアップデート後に後悔しても、Google純正端末(Pixel / Nexusシリーズ)なら、柔軟にOS変更の融通がききます。
ご参考あれ。
コメント
Snapshot cancel FAILED (remote: ‘unknown command’)
fastboot: error: Command failed
Press any key to exit…
と出てしまい、終われません。対処法有れば教えてください。
私も、これに悩ませました。
どうやら、古いNexus端末などは、古いadbコマンドを入れなければいけないらしいです。
まず、こちらの、アドレスから、タウンろーどします。
https://dl.google.com/android/repository/platform-tools_r26.0.2-windows.zip
もし、MacOSなら、windows.zipを、mac.zipにしてくださいね。
そして、こちらの、ページを参照して、今まで使っていた、adbを削除します。
左下の、windowsアイコンを左クリック、システムを選択。
システムの情報>システムの詳細設定>環境変数>システムの環境変数>Path>Platformtoolsを削除します。
そしたら、以下のページで、adb環境を再構築します。
Android Studio(アンドロイド スタジオ)は、Googleが提供するAndroidプラットフォームに対応する統合開発環境のこと。
引用 Wikipedia - And...
(adbコマンドをインストールは、上のリンクから、ダウンロードしてください。)
windowsのやり方を教えましたが、Macだと、やり方が違うので、それだったらおしえてください。