Nexus 6P(Android 8.1)をroot化した際の作業を記録します。
Androidをroot化するためには、「Superuser」の権限を管理するアプリをインストールする必要があり、代表的なアプリとして「SuperSU」と「Magisk」が有名です。
【Superuserとは?】 – OSに対してすべての権限を持つユーザーアカウントもしくはアカウント保持者のこと。
引用 weblio辞書
そのほか、難しいコマンド入力が不要な「Nexus Root Toolkit」というroot化ツールも存在します。
それぞれの特徴です。
SuperSU
- root化の主流アプリ。
- ネット上にも情報が多く掲載されており、トラブルに遭った際も解決しやすい。
Magisk
- 一時的にroot状態を隠す機能があり、root端末では開けないアプリも起動できる。
Nexus Root Toolkit
- 難しいコマンド入力不要でroot化できる。
本記事ではこのうち、「Magisk」を使ってNexus 6Pをroot化する手順を解説します。
ボクの環境(Android 8.1のNexus 6P)では「SuperSU」と「Nexus Root Toolkit」を使った方法でうまくroot化できませんでした。
詳細は記事後半で記載しています。
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Androidのroot化とは?
注意:Androidをroot化するデメリット
Androidをroot化すれば一歩踏み込んだ改造が可能となりますが、次のような欠点も生まれます。
- メーカー保証の対象外となる
- 強制的に初期化される
- OTAアップデートが不可能となる
- 一部アプリが使えなくなる

例えばroot化状態では「ポケモンGO」が正常に動作しなくなる。
そのほか予期せぬエラーが発生し、最悪の場合Androidが動かなくなる恐れもあります。
くれぐれも自己責任でお試し下さい。
なお、もし作業の途中で端末が文鎮化(再起動がループして先に進まない)となった場合、ファクトリーイメージを読み込むことで回復できるかもしれません。
詳細は関連記事【文鎮化したNexus端末を復旧する方法! ブートループを繰り返すAndroidにファクトリーイメージを焼こう】で解説しています。

Androidをroot化する事前準備
root化の一連の作業をするための事前準備をします。
- データをバックアップする
- パソコンadb環境を整える
- USBケーブルを用意する
- 「USBデバッグ」をオンにする
- ブートローダーをアンロックする
- カスタムリカバリ TWRPをダウンロードする
データをバックアップする
作業の途中、何度かAndroidが初期化されます。
事前のバックアップを忘れずに実施して下さい。

パソコンadb環境を整える
お使いのパソコンでadbコマンドを使用できる環境を用意して下さい。
Windows・Macそれぞれにおける手順は関連記事で解説しています。


USBケーブルを用意する
AndroidのUSB端子の形状(micro USB / Type C)に合わせ、ご準備下さい。
「USBデバッグ」をオンにする
パソコンと接続するAndroid側でUSBデバッグを有効にして下さい。
事前に「開発者向けオプション」を表示した上で、

「設定」→「開発者向けオプション」より、「USBデバッグ」をオンにすればOK。
より詳細な手順やUSBデバッグの特徴・リスクについては、関連記事【AndroidでUSBデバッグを有効にする方法! 設定を解除する手順やリスクを解説】で解説しています。

カスタムリカバリTWRPをダウンロードする
root化するためにはAndroidで「カスタムリカバリ」を起動する必要があります。
カスタムリカバリを導入すると次のことが可能になります。
- Androidのフルバックアップ・復元が可能となる
- root化できる
- カスタムROMを導入できる
本記事ではカスタムリカバリの一種「TWRP」を使用した方法で説明しています。
あらかじめ端末種別に応じた最新バージョンのTWRPリカバリーイメージをパソコンにダウンロードしておきます。
ダウンロード TWRP(端末一覧のページ)

Nexus 6P向けのリンクからダウンロードする画面例。
ブートローダーをアンロックする
カスタムリカバリを起動するためにAndroidのブートローダーをアンロックする必要があります。
手順の詳細は関連記事【Nexus 6Pでブートローダーをアンロックする方法! Bootloader UnlockでカスタムROM/リカバリを起動しよう】で解説しています。

MagiskでAndroidをroot化する方法
手順①:MagiskファイルをAndroidへ移す
最新版のMagiskをXDAサイトからダウンロードします。
ダウンロード Magisk
ダウンロードしたZipファイルをAndroidのストレージへ移します。

移動先のディレクトリに指定はないが内部ストレージ直下(”sdcard”など)に保存するとTWRPでインストールしやすい。
AndroidとパソコンをUSB接続してファイル移行する手順の詳細は、関連記事【AndroidとPCをUSB接続モードでファイル管理する方法! WindowsとMacをスマートフォンに繋いでデータ転送しよう】で解説しています。

手順②:カスタムリカバリTWRPを起動する
次にカスタムリカバリTWRPを起動するため、Androidのブートローダーを起動します。
Nexus 6Pの場合、まず電源ボタンを押して、本体の電源をオフにします。
電源をオフにした状態で、「電源ボタン」と「音量−ボタン」2つを同時に長押しし、画面が変わるまで押し続けます。
すると通常とは異なる画面で本体が起動し、ドロイド君のお腹がパカっと空いた画面が表示されます。
次にパソコンで下記fastbootコマンドを入力し、末尾に半角スペースを空け、
fastboot boot
ダウンロードしておいたカスタムリカバリTWRPをドラッグ&ドロップし、 enter で実行します。
するとAndroidでカスタムリカバリTWRPが起動します。
手順③:TWRPでMagiskをインストールする
「Swipe to Allow Modifications」で先に進みます。
カスタムリカバリTWRPのトップ画面が表示されるので「Install」を開き、
端末内に移しておいた「Magisk」のZipファイルを選択します。
インストール確認画面が出るので、「Swipe to confirm Flash」で実行します。
画面に「Successful」と表示されれば成功、「Reboot System」を選択します。
「TWRP」アプリのインストールを促す画面になりますが、不要なので「Do Not Insatall」を選択。
Androidで再起動がかかります。
再起動後、インストールが始まり、アプリケーション一覧に管理アプリ「Magisk Manager」が追加されています。
「Magisk」を起動し、「インストール済」と表示されていれば正常に導入できています。
参考:セキュリティに関するメッセージが表示される場合
もし次のメッセージが表示された場合、「同意する」を選択して下さい。
- Googleでは、セキュリティに関する問題がないか端末アクティビティを定期的に確認し、有害の可能性があるアクティビティを防止または警告することができます。
Androidのroot化成功後のアレコレ
Androidがroot化できているか確認する方法
「Root Checker」というアプリを使えば、Androidで正常にroot化が完了しているか確認できます。
アプリをインストール・起動し、「Verify Root Status」を実行します。
もし「スーパーユーザーリクエスト」画面が表示されたら「許可」を選択して下さい。
次のメッセージが表示されればroot化できています。
- Congratulations! Root access is properly installed on this device!
Androidのroot化を解除して元の状態に戻す方法
一度root化したAndroidは、解除して元の状態(非root)に戻せます。
「Magisk」の場合、管理アプリ「Magisk Manager」内で「アンインストール」という項目がありますが完全なroot化解除とならないため、XDAサイトからアンインストールの専用ソフトをダウンロードします。
ダウンロード Magisk
ここから先は「Magisk」をインストールした際の流れと同様です。
- ダウンロードしたZipファイルをAndroidのストレージへ移す
- Androidのブートローダーを起動する
- カスタムリカバリTWRPを起動する
- Zipファイルをインストールする
カスタムリカバリTWRPを起動したら「Install」を開き、端末内に移しておいた「Magiskアンインストーラー」のZipファイルを選択。
「Swipe to confirm Flash」で実行します。
画面に「Successful」と表示されたことを確認し、「Reboot System」を選択します。
再起動後、管理アプリ「Magisk Manager」が消えていることを確認しましょう。
またroot化が解除されているかもチェックしておきます。
「Root Checker」アプリを使い、
「Verify Root Status」を実行して、次のメッセージが表示されればroot化が解除されています。
- Sorry! Root access is not properly installed on this device.
Magisk Managerをアップデートする方法
管理アプリ「Magisk Manager」に更新があると通知が届きます。
タップして画面に従ってアップデートできます。
もし提供元不明アプリの許可が求められたら、設定して下さい。

root化後にAndroidをOTAアップデートする方法
冒頭記載の通り、root化するとOTAアップデートが不可能となります。
この場合、OTAアップデートのために下記流れで操作が必要です。
- 一度root化を解除する
- OTAアップデートを実施する
- 再びroot化する
補足:
SuperSUでAndroidをroot化する手順(結果的に失敗)
本記事では「Magisk」を使ってroot化する方法を解説しましたが、一般的には「SuperSU」を用いる手法が有名です。
が、ボクの環境(Android 8.1のNexus 6P)ではなぜか失敗しました。
参考までに「SuperSU」をインストールする手順を紹介します。
まず、事前準備事項は「Magisk」のパターンと同様です。
- データをバックアップする
- パソコンadb環境を整える
- USBケーブルを用意する
- 「USBデバッグ」をオンにする
- ブートローダーをアンロックする
- カスタムリカバリ TWRPをダウンロードする
次に最新版の「SuperSU」をダウンロードし、ZipファイルをAndroidのストレージへ移します。
ダウンロード SuperSU
後は「Magisk」のパターン同様に下記流れで進めばOK。
- Androidのブートローダーを起動する
- カスタムリカバリTWRPを起動する
- SuperSUをインストールする
カスタムリカバリTWRPを起動したら「Install」を開き、端末内に移しておいた「SuperSU」のZipファイルを選択。
「Swipe to confirm Flash」で実行します。
インストールが始まり、画面に「Successful」と表示されれば成功。
「Reboot System」を選択し、Androidで再起動がかかります。
ここまで完了すれば、通常はアプリケーション一覧に「SuperSU」が追加されるはずですが、ボクの環境ではなぜか存在しませんでした。
一方、root化の成否を確認する2つの方法を試すと、どちらもroot化できている反応を示していました。
- 「Root Checker」アプリでroot化できているメッセージが表示される
- adb shellコマンドで「SuperSU」のバージョンを取得できる
「Root Checker」アプリで確認
「Verify Root Status」を実行すると、root化できているメッセージが表示されました。
adb shellコマンドで確認
パソコンと接続して下記コマンドを実行すると、
adb shell su -v
「SuperSU」のバージョンを取得できました。
以上より、不完全な状態でroot化はできていますが、成功とはいえない状態でした。
Nexus Root ToolkitでAndroidをroot化する手順(結果的に失敗)
「Nexus Root Toolkit」というツールを使えば、難しいコマンド入力不要でroot化できます。
が、最近はアップデートされておらず、Android 8以降に対応していないため、ボクの環境(Android 8.1のNexus 6P)では使用できませんでした。
もしお使いの端末のAndroidバージョンがAndroid 7.0以下であれば使えるかもしれないので、該当の方はお試し下さい。
ダウンロード Nexus Root Toolkit

カスタムリカバリTWRPを起動するコマンドの補足
カスタムリカバリTWRPを起動する際、本記事では下記コマンドを紹介しました。
fastboot boot
ただ、ネット上では下記コマンドを実行する方法も紹介されています。
fastboot boot recovery
が、ボクの環境では次のメッセージが表示されエラーとなりました。
- error: cannot load ‘recovery’: No such file or directory
もし同様のエラーが表示された場合、
fastboot boot
でお試し下さい。
〆:リスクを承知でroot化を楽しもう!
以上、Nexus 6Pをroot化する方法! TWRPでAndroid 8.1にMagiskをインストールして改造しよう の説明でした。
必要なコマンド入力も多く、ハードルは高めの内容となっています。
が、一度成功すれば様々な改造が可能となるので、root化を検討中の方はぜひご参考下さい。
コメント
NEXUS5Xで8.1(OPM7)で最新版majiskインストールできてます。
TWRPインストール
zipをDL TWRPでインストール
manager インストール
managerはOS起動後インストールします。zipあてただけではインストールは完全には終わりません。
xdaをよく見てみればわかります。
とはいいつつ参考にさせていただきました。ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
記事内容を少し修正しました。
まったく同じ手順で行い、Successfulと出たのですが、root checherで確認するとroot化されてませんでした。Magisk Managerもアプリに追加されていません…
ver8.1.0です
すみません。自己解決しました。
Magisk-v17.1をインストールした後にv18.1をインストールしたら無事できました。
イメージファイルで起動するには
fastboot boot イメージファイル名
リカバリーを起動するには
fastboot reboot recovery
だったような