Bootloader(ブートローダー)をご存じでしょうか?
このBootloaderのロックを解除(=Bootloader Unlock)することで、本来は許可されないカスタムROMの読み込みやカスタムリカバリの起動が可能となります。
日本国内のキャリアから販売される機種は、そもそもブートローダーのアンロックができないケースが多いですが、Nexus 6Pのように海外製のSIMフリー端末では対応しています。
そこで本記事ではNexus 6Pに関して、ブートローダーをアンロックする方法を紹介します。
photo by claudia.rahanmetan
Nexus 6Pのブートローダーをアンロックする方法
注意:ブートローダーをアンロックするメリット・デメリット
ブートローダーをアンロックすれば、次のようにAndroidで一歩踏み込んだ改造が可能となります。
- TWRPなどのカスタムリカバリ導入ができる
- root化できる
- カスタムROMを導入できる
例えば、Google純正端末(Pixel / Nexusシリーズ)なら過去のファクトリーイメージを読み込ませれば、Android OSをダウングレード可能です。

またroot化は、ブートローダーのアンロックが前提条件となります。

一方、次のような欠点も生まれます。
- メーカー保証の対象外となる
- 強制的に初期化される
- OTAアップデートが不可能となる
- 一部アプリが使えなくなる
そのほか予期せぬエラーが発生し、最悪の場合Androidが動かなくなる恐れもあります。
くれぐれも自己責任でお試し下さい。
手順①:作業の事前準備をする
ブートローダーをアンロックする事前準備をします。
データをバックアップする
ブートローダーをアンロックするとAndroidが初期化されます。
事前のバックアップを忘れずに。

パソコンadb環境を整える
お使いのパソコンでadbコマンドを使用できる環境を用意して下さい。
Windows・Macそれぞれにおける手順は関連記事で解説しています。


USBケーブルを用意する
AndroidのUSB端子の形状(micro USB / Type C)に合わせ、ご準備下さい。
「USBデバッグ」・「OEMロック解除」をオンにする
パソコンと接続するAndroid側で「USBデバッグ」・「OEMロック解除」をオンにします。
事前に「開発者向けオプション」を表示した上で、

まず「設定」→「開発者向けオプション」より、「USBデバッグ」をオンにします。
USBデバッグの特徴・リスクについては、関連記事【AndroidでUSBデバッグを有効にする方法! 設定を解除する手順やリスクを解説】で解説しています

同様に「開発者向けオプション」より、「OEMロック解除」トグルをタップして有効にします。
手順②:ブートローダーをアンロックする
ブートローダーをアンロックすると次のことが可能になります。
- TWRPなどのカスタムリカバリ導入ができる
- Root化ができる
- カスタムROMを導入できる
まずAndroidでブートローダーを起動します。
Nexus 6Pの場合、まず電源ボタンを押して、本体の電源をオフにします。
電源をオフにした状態で、「電源ボタン」と「音量−ボタン」2つを同時に長押しし、画面が変わるまで押し続けます。
すると通常とは異なる画面で本体が起動し、ドロイド君のお腹がパカっと空いた画面が表示されます。
次にfastbootコマンドでブートローダーを解除します。
adb環境を用意したパソコンとUSB接続し、次のコマンドを実行します。
fastboot flashing unlock
Nexus 6P以外の機種では代わりに下記コマンドを入力するパターンが多いです。
fastboot oem unlock
正確な情報は機種ごとお調べ下さい。
うまくコマンドが通ると、Androidの画面に「Unlock bootloader(ブートローダーを解除しますか?)」と表示されるので「Yes」を選択します。
パソコン側で次のコマンドを実行して、Androidを再起動させます。
fastboot reboot
ブートローダーの解除に成功すると、Androidが再起動される途中、Googleのロゴに南京錠マークが表示されるようになります。
工場出荷状態の画面となれば、ブートローダーのアンロックは完了です。
補足:
Nexus 6P以外の機種でブートローダーをアンロックする方法
本記事ではNexus 6Pを例にブートローダーをアンロックする手順を解説しましたが、別の機種でもおおむね流れは同様です。
ただし機種によってパソコン側で入力するコマンドが異なる場合もあるため、
などで事前に調べて下さい。
ブートローダーを再度ロックする方法
アンロックしたブートローダーを再度ロックする場合、アンロック時と同じ流れでfastbootコマンドで下記コマンドを実行します。
fastboot flashing lock
Nexus 6P以外の機種では代わりに下記コマンドを入力するパターンが多いです。
fastboot oem lock
正確な情報は機種ごとお調べ下さい。
ブートローダーを起動してリカバリーモードに入る方法
ブートローダーからリカバリーモードに入れば、Androidを強制的に初期化できます。
今回紹介したブートローダーをアンロックする手順も不要ですので、画面ロックのパスワードを忘れたり、Androidが固まった際に知ってると便利です。
詳細は関連記事【[Android] リカバリーモードの起動手順と強制初期化する使い方 [Galaxy / Nexus]】で解説しています。

OEMロック解除でDevice Protection(端末保護機能)が無効化される
記事中で紹介したOEMロックの解除により、Androidのセキュリティ機能「Device Protection(端末保護機能)」が無効化されます。
「Device Protection(端末保護機能)」はメリット・デメリットあるため、この仕様は必ずしもマイナスではありませんが、認識はしておきましょう。
より詳細な情報は、関連記事【Android「このデバイスはリセットされました」の原因と解決方法! GoogleアカウントのDevice Protection(端末保護機能)を解除しよう】で解説しています。

〆:リスクを承知の上ブートローダーをアンロックしよう!
以上、Nexus 6Pでブートローダーをアンロックする方法! Bootloader UnlockでカスタムROM/リカバリを起動しよう の説明でした。
Androidでマニアックな改造を施す場合、ブートローダーのアンロックが前提となるケースが多いです。
ただし相応のリスクもあるため、くれぐれも自己責任でお楽しみ下さい。
ぜひ、ご参考あれ。
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