本記事では、主に次の2点を解説しています。
- ステータスバーとナビゲーションバーを隠した全画面表示へ切り替える方法
- 最新のジェスチャーナビゲーションを導入する方法
どちらも従来のナビゲーションバーが非表示となるため、より広い画面でコンテンツを楽しむことができます。
Androidを全画面表示する方法(アプリ編)
- 前提ステータスバーとナビゲーションバーについて
- 方法①Fullscreen Immersive – アプリ単体で下のバーを消す
- 方法②Immersive Settings – アプリ+adbコマンドで下のバーを消す
- 参考没入モード(Immersive Mode)を許可するアプリの分類について
前提:ステータスバーとナビゲーションバーについて
Androidはどのアプリ画面も原則、上下両端に2つのバーが常に表示されます。
名称 | 役割 |
---|---|
ステータスバー(通知バー) | アプリの通知やデバイスの状態を表示 |
ナビゲーションバー | 基本3ボタン(ホーム/戻る/タスク)のソフトキーを表示 |
ただ一部アプリでは、ステータスバーとナビゲーションバーが隠れた、全画面表示に切り替わるケースがあります。

ギャラリーアプリの例。写真を開くと自動で全画面表示になる。
全画面表示には、大きく2つのメリットがあります。
- 一画面で視覚できるコンテンツ情報が増える
- 画面の焼き付き防止になる
ただ残念ながら、Android標準の機能として、ユーザー側で全画面表示のオン/オフを切り替える仕様とはなっていません。
そこで本パートで紹介するアプリを使えば、自由に全画面表示のコントロールが可能となります。
具体的には、Fullscreen Immersiveと
Immersive Settingsという2つのアプリを使った方法を解説します。
①:Fullscreen Immersive – アプリ単体で 全画面表示する | ②:Immersive Settings – アプリ+adbコマンドで 全画面表示する | |
---|---|---|
全画面表示の精度 | ○ | ◎ |
ナビゲーションバーだけ隠す | ○ | ◎ |
ステータスバーだけ隠す | ✕ | ◎ |
キーボードの動作 | ✕ | ◎ |
戻るキーの動作 | ✕ | ◎ |
導入のハードル | ◎ | △ |
方法①:Fullscreen Immersive – アプリ単体で下のバーを消す
Fullscreen Immersiveというアプリを使えば、カンタンにステータスバーとナビゲーションバーを隠すことが可能です。
画面に従って初期設定を行い、トップ画面まで進むと、”2つのメニュー”それぞれで”4つのモード”を選択できます。
▼2つのメニュー
メニュー名 | 機能 |
---|---|
MANUAL | 手動で全画面表示を設定 |
AUTOMATIC | 自動で全画面表示を設定 |
▼4つのモード
アイコン | モード名 | ステータスバー | ナビゲーションバー |
---|---|---|---|
![]() | 何も隠す | 表示 | 表示 |
![]() | ナビゲーションバーを非表示 | 表示 | 非表示 |
![]() | 全画面表示 | 非表示 | 非表示 |
![]() | 通知バーを非表示 | 非表示 | 表示 |

「MANUAL」メニューを設定すると、どのアプリ画面でも選択したモードが常に適用されます。
例えば 全画面表示 を設定すれば、ステータスバー(通知バー)とナビゲーションバーを隠した全画面表示へ切り替えることができます。

通知バーとナビゲーションバーが消えて全画面表示になる
また ナビゲーションバーを非表示 を選ぶと、ナビゲーションバーだけ隠すことも可能です。

通知バーは残しつつナビゲーションバーが消える
一方、「AUTOMATIC」メニューを設定すると、あらかじめ指定するアプリ画面のみ、選択したモードが自動適用されます。
例えばChromeで
全画面表示 を設定すれば、ブラウザ起動時に自動で全画面表示へ切り替わります。

Chromeで全画面表示を設定すれば(左)、起動時に自動でフルスクリーンへ切り替わる(右)。
以上が、Fullscreen Immersiveの基本的な操作方法です。
ブラウザ(例:Chrome)など、アプリによっては、ほんらいステータスバーとナビゲーションバーが表示される領域までページが広がるため、より一画面で視覚できるコンテンツ情報が多くなります。

通常時と比べ(左)、全画面にすると表示できる情報量が増える(右)。
また通知領域に表示されるFullscreen Immersiveのアイコンをタップすれば、全画面表示のオン / オフをすぐ切り替え可能です。

通知領域からすぐ切り替えができる。
一時的にナビゲーションバーを使いたい場合、画面上下の端をスワイプすることで、数秒間表示できます。

一時的にホームボタン等を表示できる。
手軽にフルスクリーンを体感したい場合、Fullscreen Immersiveなら難しい操作不要で設定できるのでオススメです。
一方、次のようなデメリットもあり、完璧ではありません。
- キーボードが動作しない
- 戻る キーが動作しない
- ステータスバーだけ隠すことができない
- アプリによっては完全な全画面表示にできない
より完全な全画面表示を実現したい場合、次に紹介する方法②をお試し下さい。
方法②:Immersive Settings – アプリ+adbコマンドで下のバーを消す
Immersive Settingsというアプリを使えば、完全なフルスクリーン表示が可能です。ただしパソコンによるadbコマンド入力が必要です。
事前に、お使いのパソコンでadbコマンドを使用できる環境を用意して下さい。
Windows・Macそれぞれにおける手順は関連記事で解説しています。


またパソコンとAndroidを接続するケーブルも必要です。
AndroidのUSB端子の形状(micro USB / Type C)に合わせ用意しましょう。
次にAndroidの設定で ビルド番号 を連続タップして 開発者向けオプション を有効にした後、USBデバッグ を有効にして下さい。
USBデバッグを有効にする詳細な手順は、関連記事【AndroidでUSBデバッグを有効にする方法! 設定を解除する手順やリスクを解説】で解説しています。

adbコマンドを使用する事前準備は以上です。
Immersive Settingsのインストール後、パソコンとUSB接続の上、下記のadbコマンドを実行します。
adb shell pm grant jp.sakeapps.immersivesettings android.permission.WRITE_SECURE_SETTINGS
初期設定は以上です。
Immersive Settingsのトップ画面では、4つの表示パターンを選択できます。
アイコン | ステータスバー | ナビゲーションバー |
---|---|---|
![]() | 表示 | 表示 |
![]() | 非表示 | 表示 |
![]() | 表示 | 非表示 |
![]() | 非表示 | 非表示 |
例えばを設定すれば、ステータスバー(通知バー)とナビゲーションバーを隠した全画面表示へ切り替えることができます。

ナビゲーションバーと通知バーが消えて全画面表示になる
またや
を選べば、それぞれステータスバーまたはナビゲーションバー片方のみ隠すことも可能です。

左がステータスバーのみ、右がナビゲーションバーのみ消した例。
さらにを選びつつ追加設定をすれば、あらかじめ指定するアプリ画面のみ、下記3つの表示パターンいずれかを自動適用できます。
パターン名 | ステータスバー | ナビゲーションバー |
---|---|---|
immersive.fullscreen | 非表示 | 非表示 |
immersive.status | 非表示 | 表示 |
immersive.navigation | 表示 | 非表示 |
例えばChromeで immersive.fullscreen を設定すれば、ブラウザ起動時に自動で全画面表示へ切り替わります。

Chromeで全画面表示を設定すれば(左)、起動時に自動でフルスクリーンへ切り替わる(右)。
以上が、Immersive Settingsの基本的な操作方法です。
初期設定でパソコンのadbコマンド操作が面倒ですが、全画面表示アプリでありがちな次のデメリットを克服しています。
- キーボードが動作しない
- 戻る キーが動作しない
- ステータスバーだけ隠すことができない
- アプリによっては完全な全画面表示にできない
なお注意点として、Immersive Settingsをアンインストールする際は必ず、デフォルトの
を選んで、ステータスバーとナビゲーションバーを復活してから実行して下さい。

元の状態に戻してから(左)、アンインストールを実行すること(右)。

参考:没入モード(Immersive Mode)を許可するアプリの分類について
記事中では、方法①としてFullscreen Immersive、方法②として
Immersive Settingsを取り上げましたが、
Playストアには同類アプリがたくさん存在します。


ただどのアプリも、下記いずれかに分類されます。
分類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
「アプリ単体」 で動くアプリ |
|
|
「アプリ+adbコマンド」 で動くアプリ |
|
|
より具体的な機能差分です。
アプリ単体 | アプリ+adbコマンド | |
---|---|---|
全画面表示の精度 | ○ | ◎ |
ナビゲーションバーだけ隠す | ○ | ◎ |
ステータスバーだけ隠す | ✕ | ◎ |
キーボードの動作 | ✕ | ◎ |
戻るキーの動作 | ✕ | ◎ |
導入のハードル | ◎ | △ |
Fullscreen Immersiveをはじめとする「アプリ単体」で動くアプリは、強制的に没入モード(Immersive Mode)へ切り替えるため、OS標準の動作と整合しない場合に不具合が生じます(例:キーボードが出てこない)。
一方、Immersive Settingsをはじめとする「アプリ+adbコマンド」で動くアプリは、”WRITE_SECURE_SETTINGS”権限を付与することで、OS側の設定として没入モード(Immersive Mode)を認識させることができるため、完全な形でフルスクリーンを実現できています。
Playストアで見つけた別アプリを試す場合も、原則このルールに当てはまるはずなので、知ってると動作検証に役立ちます。

以降より両アプリの機能差分について詳しく説明するので、興味のある方はどうぞ。
違い①:完全なフルスクリーンの実現
Fullscreen Immersiveをはじめとする「アプリ単体」で動くアプリの場合、アプリによっては完全なフルスクリーン表示をできません。
例えばInstagramや
twitterでナビゲーションバーを隠すと、空白領域が残ってしまいます。

左がInstagram、右がtwitterの例。ナビゲーションバー部分が空白として残る。
一方、Immersive Settingsをはじめとする「アプリ+adbコマンド」で動くアプリは、ナビゲーションバーだった領域までコンテンツをフルスクリーンで表示できます。

左がInstagram、右がtwitterの例。ナビゲーションバー部分までフルスクリーン表示できる。
違い②:ステータスバーだけ隠す
Immersive Settingsをはじめとする「アプリ+adbコマンド」で動くアプリは、ナビゲーションバーは残しつつ、ステータスバー(通知バー)だけを隠すことができます。

ナビゲーションバーは残しつつ通知バーが消える
が、Fullscreen Immersiveをはじめとする「アプリ単体」で動くアプリの場合、この操作は非対応です。
違い③:キーボードの動作
Fullscreen Immersiveをはじめとする「アプリ単体」で動くアプリの場合、フルスクリーン中にキーボードを出すことができません。

フルスクリーン中のブラウザの例。検索窓をタップしてもキーボードが表示されない。
一方、Immersive Settingsをはじめとする「アプリ+adbコマンド」で動くアプリは、キーボードがしっかり表示・入力できます。

フルスクリーン中のブラウザの例。検索窓をタップするとキーボードが表示される。
違い④:戻るキーの動作
Fullscreen Immersiveをはじめとする「アプリ単体」で動くアプリの場合、フルスクリーン中に 戻る キーが動作しません。

フルスクリーン中のブラウザの例。戻るキーをタップしても機能しない。
一方、Immersive Settingsをはじめとする「アプリ+adbコマンド」で動くアプリは、しっかり動作します。
Androidを全画面表示する方法(adbコマンド編)
実は別途アプリを用意せずとも、パソコンによるadbコマンド入力だけで全画面表示が可能です。
コマンド | 効果 |
---|---|
adb shell settings put global policy_control immersive.full=* | 全画面表示へ切り替える |
adb shell settings put global policy_control immersive.status=* | ステータスバーだけ隠す |
adb shell settings put global policy_control immersive.navigation=* | ナビゲーションバーだけ隠す |
adb shell settings delete global policy_control | 通常の画面表示へ戻す |
adb shell settings get global policy_control | 現在の設定を確認する |
前パートで取り上げた、「アプリ単体」または「アプリ+adbコマンド」で全画面表示するアプリとの比較です。
アプリ単体 | アプリ+adbコマンド | adbコマンド単体 | |
---|---|---|---|
全画面表示の精度 | ○ | ◎ | ◎ |
ナビゲーションバーだけ隠す | ○ | ◎ | ◎ |
ステータスバーだけ隠す | ✕ | ◎ | ◎ |
キーボードの動作 | ✕ | ◎ | ◎ |
戻るキーの動作 | ✕ | ◎ | ◎ |
導入のハードル | ◎ | △ | △ |
完全なフルスクリーンを実現できる点で、前パートで取り上げたImmersive Settingsをはじめとする「アプリ+adbコマンド」で動くアプリと似ています。
設定変更の度にパソコン操作が必須となる欠点もあります。が、なるべく追加アプリをインストールしたくないニーズがあれば試す価値アリです。
以降より、adbコマンドを使用する準備と、実際に入力する流れを解説します。
- 事前準備パソコンのadb環境を用意する
- 説明①フルスクリーン表示へ切り替えるadbコマンド
- 説明②ステータスバー/ナビゲーションバー片方のみ非表示にするadbコマンド
- 説明③通常の画面表示へ戻すadbコマンド
- 説明④現在の設定を確認するadbコマンド
事前準備:パソコンのadb環境を用意する
adbコマンドを使用する事前準備として、次の3点が必要です。
- パソコン側でadbコマンドを使用できる環境を整える
- パソコンとAndroidを接続するケーブルを用意する
- AndroidのUSBデバッグを有効にする
パソコン側でadbコマンドを使用できる環境を整える
お使いのパソコンでadbコマンドを使用できる環境が必要です。
Windows・Macそれぞれにおける手順は関連記事で解説しています。


パソコンとAndroidを接続するケーブルを用意する
パソコンとAndroidを接続するケーブルも必要です。
AndroidのUSB端子の形状(micro USB / Type C)に合わせ用意しましょう。
AndroidのUSBデバッグを有効にする
Androidの設定で ビルド番号 を連続タップして 開発者向けオプション を有効にした後、USBデバッグ を有効にして下さい。
USBデバッグを有効にする詳細な手順は、関連記事【AndroidでUSBデバッグを有効にする方法! 設定を解除する手順やリスクを解説】で解説しています。

adbコマンドを使用する事前準備は以上です。
adbコマンド①:フルスクリーン表示へ切り替える
下記のadbコマンドを実行すると、
adb shell settings put global policy_control immersive.full=*
ステータスバー(通知バー)とナビゲーションバーを隠した、全画面表示へ切り替えることができます。

(右)adbコマンドを実行するとフルスクリーン表示になる
さらに末尾にアプリパッケージ名を入力することで、指定アプリのみ自動適用 or 適用対象外とできます。
▼指定アプリのみ全画面表示を適用
adb shell settings put global policy_control immersive.full=アプリパッケージ名
▼指定アプリのみ全画面表示から除外
adb shell settings put global policy_control immersive.full=*,-アプリパッケージ名
例えばChromeのパッケージ名は com.android.chrome となるため、次のコマンドを入力すれば、
adb shell settings put global policy_control immersive.full=com.android.chrome
Chrome起動時のみ、自動的に全画面表示へ切り替わります。

(右)Chromeを起動すると自動でフルスクリーン表示になる
Androidアプリのパッケージ名を調べる方法は、関連記事【Androidアプリのパッケージ名を調べる方法! Google PlayやapkのアプリケーションID確認しよう】で解説しています。

adbコマンド②:ステータスバー or ナビゲーションバー片方のみ非表示
下記のadbコマンドを実行すると、
▼ステータスバーだけ隠す
adb shell settings put global policy_control immersive.status=*
▼ナビゲーションバーだけ隠す
adb shell settings put global policy_control immersive.navigation=*

ナビゲーションバーだけ隠すadbコマンドの例。
それぞれステータスバーまたはナビゲーションバー片方のみ隠すことが可能です。

左がステータスバーのみ、右がナビゲーションバーのみ消した例。
さらに末尾にアプリパッケージ名を入力することで、指定アプリのみ自動適用 or 適用対象外とできます。
▼指定アプリのみナビゲーションバー非表示を適用
adb shell settings put global policy_control immersive.navigation=アプリパッケージ名
▼指定アプリのみナビゲーションバー非表示から除外
adb shell settings put global policy_control immersive.navigation=*,-アプリパッケージ名
例えばInstagramのパッケージは com.instagram.android となるため、次のコマンドを入力すれば、
adb shell settings put global policy_control immersive.navigation=com.instagram.android
Instagram起動時のみ自動的にナビゲーションバーが隠れます。

(右)インスタを起動すると自動でナビゲーションバーが非表示となる
Androidアプリのパッケージ名を調べる方法は、関連記事【Androidアプリのパッケージ名を調べる方法! Google PlayやapkのアプリケーションID確認しよう】で解説しています。

adbコマンド③:通常の画面表示へ戻す
下記のadbコマンドを実行すると、これまでの入力をリセットして元の画面表示に戻します。
adb shell settings delete global policy_control
adbコマンド④:現在の設定を確認する
下記のadbコマンドを実行すると、これまで入力した設定状態を確認できます。
adb shell settings get global policy_control
基本的な表示メッセージと、それぞれの意味です。
表示メッセージ | 意味 |
---|---|
null | 設定なし(=通常の画面) |
immersive.full=* | 全画面表示 |
immersive.status=* | ステータスバーのみ非表示 |
immersive.navigation=* | ナビゲーションバーのみ非表示 |
Androidでジェスチャーナビゲーションを導入する方法
本パートでは、最新のジェスチャーナビゲーションへ切り替える手順について解説します。
- 前提ジェスチャーナビゲーションについて
- 方法①OS標準機能を使ってジェスチャーナビゲーションを設定する
- 方法②Navigation Gestures – ジェスチャーナビゲーションを設定する
前提:ジェスチャーナビゲーションについて
長年、Androidの特徴としてナビゲーションバーにホームボタンが表示されていました。

(右)Android 9ではアプリ切替のみボタンを非表示とできたが、それでもホームボタンは残った。
が、Android 10よりジェスチャーナビゲーション機能が追加されました。
有効にするとホームボタン等は消え、代わりにジェスチャーで操作する仕様となります。
▼ホームを表示

画面下端から上へスワイプ
▼最近のアプリを表示

画面下端から上へスワイプ&ホールド
▼戻る

画面横端から左右へスワイプ
ほんらいナビゲーションバーが表示されていた領域まで拡大されるため、より広い画面でコンテンツを楽しむことができます。
本パートでは、このジャスチャーナビゲーションを設定する手順として2パターン紹介します。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
①: OS標準機能を使う |
|
|
②: アプリNavigation Gesturesを使う |
|
|
方法①:OS標準機能を使ってジェスチャーナビゲーションを設定する
Android 10以上を搭載する対応機種であれば、OS標準機能だけで設定可能です。
設定より システム → ジェスチャー と進み、
システムナビゲーション で ジェスチャーナビゲーション に切り替えればOKです。
なお機種によって設定メニューがかなり異なるため、検索機能より「ジェスチャー」や「ナビゲーション」など調べると見つけやすいです。

Galaxy A20の設定アプリで検索した例。
一方、機種によってはAndroid 10を搭載するにも関わらず、メニューが存在しないケースもあります。

arrows Be F-04Kの例。Android 10であってもジェスチャーナビゲーションに対応していない。
この場合、次に紹介するアプリを使う方法をどうぞ。
方法②:Navigation Gestures – ジェスチャーナビゲーションを設定する
下記に該当する機種では、残念ながらジェスチャーナビゲーションを設定できません。
- Android 10未満の機種
- Android 10以上でもメーカーの方針で非対応の機種
が、ここで紹介するNavigation Gesturesというアプリを使えば、無理やりジェスチャーナビゲーションを導入することが可能です。ただしパソコンによるadbコマンド入力が必要です。
事前に、お使いのパソコンでadbコマンドを使用できる環境を用意して下さい。
Windows・Macそれぞれにおける手順は関連記事で解説しています。


またパソコンとAndroidを接続するケーブルも必要です。
AndroidのUSB端子の形状(micro USB / Type C)に合わせ用意しましょう。
次にAndroidの設定で ビルド番号 を連続タップして 開発者向けオプション を有効にした後、USBデバッグ を有効にして下さい。
USBデバッグを有効にする詳細な手順は、関連記事【AndroidでUSBデバッグを有効にする方法! 設定を解除する手順やリスクを解説】で解説しています。

adbコマンドを使用する事前準備は以上です。
Navigation Gesturesをインストール後、画面に従って各種アクセス権限を許可して下さい。
「Write Secure Settings」という画面まできたら、adbコマンドを実行します。
パソコンとUSB接続の上、下記のadbコマンドを実行します。
adb shell pm grant com.xda.nobar android.permission.WRITE_SECURE_SETTINGS
初期設定は以上です。
Navigation Gesturesのトップ画面で Hide Navigation Bar を有効にすると、ナビゲーションバーが消えます。
さらに Enable Gesture Pill ・ Enable Left Side Gesture ・ Enable Right Side Gesture を有効にすると、ジェスチャーナビゲーションバーが出現します。

(右)機能を有効にするとジェスチャーナビゲーションに置き換わる。
ジェスチャーナビゲーションの動作や見た目は、Settings(設定)からカスタマイズ可能です。
例えば Gestures → Pill Gestures より、Swipe Up を”Home”、Swipe Up and Hold を”Recent Apps”とすれば、
純正ジェスチャーナビゲーションのように、次の操作を実現できます。
- 下端から上へスワイプ:ホーム
- 下端から上へスワイプ&ホールド:最近のアプリを表示

“ホーム”と”最近のアプリを表示”を操作した例。
正直、純正のジェスチャーナビゲーションと比べて操作精度は落ちますが、非対応の機種でもほぼ再現することができます。
なお注意点として、Navigation Gesturesをアンインストールする際は必ず、Hide Navigation Bar を無効にして、ナビゲーションバーを復活してから実行して下さい。

元の状態に戻してから(左)、アンインストールを実行すること(右)。

補足:スマホのフルスクリーン表示に関するアレコレ
Androidの全画面表示に関連する細かい情報を補足します。
- 補足①Android 11は没入モード(Immersive Mode)に非対応
- 補足②標準機能でナビゲーションバーを隠す方法(一部機種限定)
- 補足③有機ELスマホの画面焼けを防ぐ対策まとめ
- 補足④そのほかステータスバーをカスタマイズするアプリまとめ
- 補足⑤そのほかナビゲーションバーをカスタマイズするアプリまとめ
Android 11は没入モード(Immersive Mode)に非対応
Android 11では没入モード(Immersive Mode)の設定変更をOS側で塞がれているため、adbコマンドを使った全画面表示は不可能となっています。
もしAndroid 11でナビゲーションバーを非表示にしたい場合、下記いずれかの方法であれば対応しています。
Fullscreen Immersiveをはじめとする「アプリ単体」で動くアプリを使う
- ジャスチャーナビゲーションを導入する

Pixel 3a XL(Android 11)の例。慣れればジェスチャーナビゲーションが使いやすいのでオススメ。
ちなみにAndroid 11が没入モード(Immersive Mode)非対応の件は、海外サイトに詳しい情報が載っています。興味のある方はどうぞ。
参考 reddit – Full immersive mode on Android 11
参考 XDA forum – Hiding The Navigation Bar On Beta 1
標準機能でナビゲーションバーを隠す方法(一部機種限定)
HuaweiやSHARPなど、一部機種は標準機能としてナビゲーションバーを隠すことができます。
例えばHuawei P20 liteの場合、設定より システム → システムナビゲーション と進み、「3つのキーによるナビゲーション」の 設定 で、ナビゲーションキーを非表示 を有効にします。
するとナビゲーションバーの端に矢印 v が表示され、タップするとナビゲーションバーが非表示になります。

矢印vをタップすると(左)、ナビゲーションバーが非表示になる(右)。
お使いの機種にも搭載されている可能性があるため、設定の検索機能で「ナビゲーション」・「全画面」などのキーワードで調べてみて下さい。
有機ELスマホの画面焼けを防ぐ対策まとめ
Androidで有機ELディスプレイの機種をお使いの場合、画面焼けのリスクがあります。

ホーム画面のナビゲーションバー等が焼き付きとなった例。
焼き付きは、画素の劣化が原因となっているため改善は難しく、修理または買い替えが必要となります。
従って、事前に焼き付きを防ぐ3つの対策を知ってることが重要です。
- 画面表示を黒系統に変える
- 同じ画面を長時間表示しない
- 必要以上に画面輝度を上げない
具体的には、本記事で取り上げた全画面表示をはじめ、画面を黒くするダークテーマも有用です。

(左)通常の画面 (右)ダークテーマ有効中の画面
より詳細な情報は、関連記事【Androidで画面の焼き付きを直す方法! スマホの液晶や有機ELの画面焼けを改善しよう】で解説しています。

そのほかステータスバーをカスタマイズするアプリまとめ
本記事では、ステータスバーの表示/非表示を切り替える方法を紹介しましたが、さらに高度なカスタマイズを実現するアプリがあります。
例えば「Smartphone upgrader 2017」というアプリを使えば、iPhone X風にステータスバーが”ノッチ”デザインとなります。

このようなAndroidのステータスバーをカスタマイズする情報はまとめて、関連記事【Androidでステータスバーのカスタマイズ方法まとめ! 見た目や機能性を劇的に変えよう】で解説しています。

そのほかナビゲーションバーをカスタマイズするアプリまとめ
本記事では、ナビゲーションバーの表示/非表示を切り替える方法を紹介しましたが、さらに高度なカスタマイズを実現するアプリがあります。
例えばCustom Navigation Barというアプリを使えば、ナビゲーションバーのボタン配置を変更したり、新しいボタンを追加できます。

左端に「Notifications」を、右端に「設定」アプリを配置した例。

ほかにもAndroidのナビゲーションバーをカスタマイズする情報はまとめて、関連記事【Androidでナビゲーションバーのカスタマイズ方法まとめ! 見た目や機能性を劇的に変えよう】で解説しています。

〆:好きなタイミングで全画面表示にしよう!
以上、Androidを全画面表示する方法! ステータスバー/ナビゲーションバー/ホームボタンを隠してフルスクリーンモードへ の説明でした。今回紹介した方法なら、好きなタイミングで全画面表示へ切り替えができます。
方法ごと、導入の難しさや実現できる機能に差分があるため、目的に合わせて試してみて下さい。
コメント
「Hide System Bar」をやると検索の時、文字を打つバーが消えてしまいます。
「Hide System Bar」アプリの仕様でキーボードが表示されません。この場合、ナビゲーションバーを表示させ、「戻る」ボタンをタップすればキーボードを一時表示できます。記事中でも本件について追記しました。
画面を触るとバーが出てきますゲームアプリを全画面で出来ませんどうしたらいいでしょうか?
ゲームアプリによっては「Hide System Bar」アプリが機能しないかもしれません。
症状が出るアプリ以外では全画面表示できるでしょうか?