スマートフォンの「テザリング」でパソコンと接続する場合、次の3パターンがあり、接続方法によって、それぞれ長所 / 短所があります。
- Wi-Fiテザリング
- USBテザリング
- Bluetoothテザリング
分類 | Wi-Fiテザリング | Bluetoothテザリング | USBテザリング |
---|---|---|---|
速度 | ★★ | ★ | ★★★ |
バッテリー | ★ ※スマホ側の負担大 | ★★★ | ★★ ※PC側の負担大 ※スマホに給電可 |
セキュリティ | ★ ※不特定多数の接続リスク有 | ★★★ | ★★★ |
準備するモノ | ★★★ | ★★★ | ★ ※USBケーブル要 |
デバイスの距離 | ★★★ ※無線接続 | ★★ ※無線接続 | ★ ※有線接続 |
初期設定 | ★ ※パスワード入力要 | ★ ※ペアリング設定要 | ★★★ |
接続台数 | ★★★ ※複数台可 | ★ ※1台のみ | ★ ※1台のみ |

この中でも「USBテザリング」は有線接続となるため、安定的な通信速度を実現したいときオススメです。
一方、ただケーブルでAndroidとパソコンを繋げても機能せず、別途初期設定が必要となります。
そこで本記事では、AndroidとMacでUSBテザリングを行う方法を紹介しています。
実際にAndroidの代表機種シリーズである「Xperia/Galaxy/Nexus」に関して、ボクが保有する3シリーズのスマートフォンを用いてMacと接続試験も行っているので、ぜひご参照あれ。
「Wi-Fiテザリング」と「Bluetoothテザリング」の接続方法は関連記事で解説しています。


photo by Kārlis Dambrāns
AndroidとMacでUSBテザリングする方法
AndroidとMacで行いたい場合、USBケーブルで繋げるだけでなく、初期設定としてMac側で下記2種類のアプリが必要となります。
- MacにUSB接続したAndroidを認識するアプリ
- AndroidのUSBテザリングを可能にするアプリ
下記よりさっそく、AndroidとMacでUSBテザリングする方法を說明します。
手順①:Mac側でAndroidを認識するアプリを入手する
まず、標準の状態では、AndroidスマートフォンをUSB接続してもMac側で認識できないため、別途ファイルマネージャー系アプリをMacにインストールが必要です。
代表格として「Android File Transfer」が有名で、最もオススメです。
インストール Android File Transfer
アプリの特徴や具体的な使い方は、関連記事【Android File Transfer – AndroidとMacをUSB接続でファイル転送/操作できる無料アプリ】で解説しています。

もしお使いのAndroidがXperiaシリーズの場合は、SONY純正の「Xperia Companion(旧:Bridge for Mac)」でもOKです。
インストール Xperia Companion

手順②:USBテザリングを可能にするアプリを入手する
手順①によってMac側でUSB接続したAndroidを認識できるようになりましたが、この状態ではまだUSBテザリングは利用できません。
理由として、USBテザリングを行うためには、AndroidがPCの「RNDISドライバ」に対応している必要がありますが、Androidが公式にサポートしているのは「WindowsのRNDIS」だけとなっています。
以上より、Androidが「MacのRNDIS」をサポートできるよう、Mac側に専用アプリ「HoRNDIS」をMacにインストールする必要があります。
ダウンロード HoRNDIS
もしアプリを起動する際に「開発元が未確認のため開けません」と表示された場合は、control を押しながら開いてみて下さい。

インストール完了後、アプリ適用のためMacの再起動をしましょう。
以上で下準備は完了。
さっそくボクが保有する下記Androidの3機種とMacを使って、実際にUSBテザリングができるかテストしてみました。
- Xperia A4(Android 5.0.2)
- Galaxy S7 edge(Android 7.0)
- Nexus 6P(Android 7.1.2)
- MacBook Air (macOS Sierra 10.12.4)
XperiaとMacでUSBテザリングを検証
XperiaとMacをUSBケーブルで接続し、Xperia側の操作でUSBテザリング機能をオンにします。
「設定」より「その他の設定」へ進み、「テザリング」をタップ。
テザリングの設定一覧となるので、「USBテザリング」のトグルをオンにすればOKです。
XperiaとMacをUSBケーブルで接続する前に当設定画面を開いても、「USBテザリング」の項目がグレーアウトして変更できない仕様となっているのでご注意下さい。
続いてMac側で「”ネットワーク”環境設定」を表示します。

メニューバーのWi-Fiアイコンより移動するとラク。
するとネットワーク一覧に「SO-04G(=Xperia)」があり、「接続済み」と表示を確認できます。
試しにWi-Fiをオフにしても無事ネット接続できました。USBテザリング成功です。
GalaxyとMacでUSBテザリングを検証
GalaxyとMacをUSBケーブルで接続し、Galaxy側の操作でUSBテザリング機能をオンにします。
MacとUSBケーブルで接続した際、お使いのGalaxyの機種やOSバージョンによっては、「端末データへのアクセスを許可」というダイアログがGalaxy側で表示されるケースがあります。USBテザリングではMTP接続が必要なので、「許可」を選択しましょう。
「設定」より「接続」へ進み、「テザリング」をタップ。
テザリングの設定一覧となるので、「USBテザリング」のトグルをオンにすればOKです。
GalaxyとMacをUSBケーブルで接続する前に当設定画面を開いても、「USBテザリング」の項目がグレーアウトして変更できない仕様となっているのでご注意下さい。
Mac側で「”ネットワーク”環境設定」を表示すると、ネットワーク一覧に「SAMSUNG Android(=Galaxy)」があり、「接続済み」と表示を確認できます。
もちろん、Mac側でWi-Fiをオフにしても無事ネット接続できます。GalaxyでもUSBテザリング成功しました。
NexusとMacでUSBテザリングを検証
NexusとMacをUSBケーブルで接続し、Nexus側の操作でUSBテザリング機能をオンにします。
MacとUSBケーブルで接続した際、お使いのNexusの機種やOSバージョンによっては、「USB接続の用途」に関するダイアログがNexusの通知領域に表示されるケースがあります。USBテザリングではMTP接続が必要なので、「ファイルを転送する」を選択しましょう。
詳細は関連記事【[Android] USB接続を「充電」から「ファイル転送」モードへ変更しPCでファイル管理する方法】で解説しています。

「設定」より「無線とネットワーク」項目内で「もっと見る…」へ進み、「テザリングとポータブルアクセスポイント」をタップ。
テザリングの設定一覧となるので、「USBテザリング」のトグルをオンにすればOKです。
NexusとMacをUSBケーブルで接続する前に当設定画面を開いても、「USBテザリング」の項目がグレーアウトして変更できない仕様となっているのでご注意下さい。
Mac側で「”ネットワーク”環境設定」を表示すると、ネットワーク一覧に「Nexus 6P」があり、「接続済み」と表示を確認できます。
もちろん、Mac側でWi-Fiをオフにしても無事ネット接続できます。NexusでもUSBテザリング成功しました。
まとめ:主要な機種/バージョンにも対応した方法
以上の通り、本記事の手法によって、日本で主要なAndroidであるXperia / Galaxy / NexusとMacの組み合わせでUSBテザリングを利用できることが分かりました。
検証はしていませんが、恐らく上記3機種以外のAndroidシリーズであっても同様にUSBテザリングできるはずです。
〆:MacでAndroidのUSBテザリングをしてみよう!
以上、[Android] スマートフォンとMacでUSBテザリングする方法 [Xperia/Galaxy/Nexus] の說明でした。
Windowsに比べ、MacでAndroidのUSBテザリングを利用する場合は正直準備は面倒ですが、一度初期設定を済ませれば、以後USBケーブルを繋げるだけで安定的なテザリング通信を実現できます。
外出先で電源を確保して長時間安定的なネット接続をしたい時、USBテザリングは特にオススメです。
AndroidとMacの組み合わせで使っている人は、ぜひ一度お試しあれ。
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