この記事では、国内版のXperia端末でブートローダーをアンロック(BLU)する方法を説明します。
国内版XperiaのBLUは、他機種と比べハードルが高く、「お金がかかる」・「100%成功するとは限らない」など、リスクがあります。
「どうしても国内版Xperiaのブートローダーをアンロックしたい!」という方は、ご参考ください。
前提:ブートローダーを解除するとは? -メリット/デメリット-
ブートローダー(Bootloader)とは、Androidの起動直後にOSを読み込んで、最初に実行するプログラムのことです。
OSを差し替えてもブートローダーでガード可能なため、セキュリティ上、通常はロックがかかっています。
が、機種によっては、このロックを解除(=Bootloader Unlock)する方法が用意されており、ほんらいは許可されないカスタマイズが可能となります。
▼Bootloader Unlockの特徴
メリット | デメリット |
---|---|
|
XperiaのBLU特有の注意点として、X-Reality for mobileやカメラの高画質化処理が失われます。
これはブートローダーを再ロックして元の状態に戻しても、二度と利用不可となる可能性があります。
またXperia Companionの一部機能(ソフトウェアの修復など)が利用不可になります。

デメリットの一例。Xperiaコンパニオンが一部使えなくなる。
Xperiaの海外モデルは、比較的かんたんにBootloader Unlockできます。
ただ国内版Xperiaの場合、特別な制限がかかっており、通常のやり方では解除できません。
試しに電話アプリのキーパッドで、以下を入力してください。
*#*#7378423#*#*
Service info → Configuration を開くと、「Bootloader unlock allowed: No」と表示されるはずです。

(左)キーパッドで入力 (右)Service info

(左)Configuration (右)Bootloader unlock allowed: No
ただqUnlock Toolというソフトを使えば、この制限を無理やり解除することが可能です。
本記事では、Xperia 10 II(ドコモのSO-41A)を例にブートローダーをアンロックする手順を紹介します。
XperiaでBootloader Unlockするやり方
Xperiaのブートローダーを解除する流れです。
- qUnlock ToolでBootloader unlockを許可する
- Bootloader Unlock用のコードを取得する
- fastbootコマンドを実行する
1. qUnlock ToolでBootloader unlockを許可する
まずqUnlock Toolを使って、ブートローダーをアンロックできる下準備を終えてください。
説明が長くなるため、詳しい手順は関連記事【qUnlock Toolの使い方! 国内版XperiaのBootloader Unlockを許可しよう】で解説しています。

ここまで終わったら、電話アプリのキーパッドで、以下を入力してください。
*#*#7378423#*#*
Service info → Configuration を開き、「Bootloader unlock allowed: Yes」と変わっていればOKです。

(左)Configuration (右)Bootloader unlock allowed: Yes
2. Bootloader Unlock用のコードを取得する
SONY公式サイトへアクセスして、デバイス一覧からお使いの機種を選択します。

SONY公式サイトへアクセス

Xperia 10 IIを選ぶ例
「Enter IMEI」欄にXperiaのIMEIを入力、チェック項目をクリックして Submit します。

赤下線にIMEIを入力

チェックを入れてSubmitをクリック
Bootloader Unlock用のコードが表示されるので、メモしましょう。

Unlockコードが出る
もしXperiaのIMEIがわからない場合、設定アプリの デバイス情報 で確認できます。

(左)デバイス情報 (右)IMEIを確認できる
3. fastbootコマンドを実行する
XperiaのUSBデバッグ・OEMロック解除をオンにします。
開発者向けオプションが有効になっていない場合、設定アプリの デバイス情報 で「ビルド番号」を連続タップしてください。

(左)デバイス情報 (右)ビルド番号を連続タップ
システム → 開発者向けオプション と開き、OEMロック解除 と USBデバッグ をオンにします。

(左)システム (右)開発者向けオプション

OEMロック解除をオン

USBデバッグをオン
Xperia本体の電源をオフにしてから、音量アップキー長押しで、パソコンにUSB接続すると、fastboot modeになります。

fastboot mode画面。ランプが青く点灯する。
ここからパソコン側の作業です。
次のコマンドを実行して、ブートローダーを解除します。
fastboot oem unlock 0x●●●●
0xの後ろの●●●●には、SONY公式サイトから取得したBootloader Unlock用のコードが入ります。

fastboot oem unlock

Finished.と出ればOK
次のエラーが表示される場合、Xperiaがfastbootデバイスとして認識できていません。
< waiting for any device >
この問題は、Google USBドライバーを更新すれば解消することが多いです。詳しくは関連記事で解説しています。

PC側でXperiaを、fastbootデバイスとして認識できていない
ブートローダー解除に成功すると、Xperiaが再起動を繰り返すので、しばらく待ちます。
また今後は再起動する度、ブートローダーが解除されていることを示すメッセージが出るようになります。

bootloader unlockのメッセージが出るようになる
工場出荷状態の画面となれば、ブートローダーのアンロックは完了です。

ブートローダーを解除すると、端末が初期化される。
この状態で開発者向けオプションを開くと、OEMロック解除 で以下メッセージが出て、変更不可となります。
ブートローダーは既にロック解除されています
OEMロック解除 をオフに戻したい場合、ブートローダーを再度ロックする必要があります。

「OEMロック解除」をオフにできなくなる
以上、説明でした。
Xperiaの場合、qUnlock ToolでBootloader unlockを許可する工程のハードルが高いです。
「どうしても国内版Xperiaのブートローダーをアンロックしたい!」という場合に、リスクを承知の上、参考にしてみてください。
〆:ブートローダーを解除してXperiaを改造しよう
以上、国内版Xperiaでブートローダーをアンロックする方法! AndroidでOEMロック解除してBootloader Unlockしよう の説明でした。
Androidでマニアックな改造を施す場合、ブートローダーのアンロックが前提となるケースが多いです。
ただし相応のリスクもあるため、くれぐれも自己責任でお楽しみください。
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