本記事では、Androidのナビゲーションバーをカスタマイズできる無料アプリCustom Navigation Barを紹介します。
このアプリを使えば、3ボタン(◉ホーム / ◀戻る / ■最近)の配置変更や、新たなボタンを追加できます。
使用条件としてroot環境は不要ですが、代わりにパソコンによるadbコマンド入力が必要です。
初期設定が少し面倒ですが、大変ユニークな機能で、試す価値アリですよ。
Custom Navigation Bar – 使い方
事前準備①:パソコンのadb環境等を用意する
Custom Navigation Barの初期設定では、パソコンからadbコマンドを実行する必要があります。
なんだか難しそうですが、、プログラムの知識がない一般ユーザーであっても、割と簡単に操作できるツールとなっています。
初めて使う場合、次の事前準備が必要です。
- パソコンのadb環境等を用意する
- 開発者向けオプションでUSBデバッグを有効にする
- adb devicesで接続確認する
1. パソコンのadb環境等を用意する
お使いのパソコンでadbコマンドを使用できる環境を用意して下さい。
Windows・Macそれぞれにおける手順は関連記事で解説しています。
正しく設定できているか検証するため、次のコマンドを実行して下さい。
adb
長々とコマンドが表示されれば成功です。
一方、次のメッセージが表示される場合、正常に設定できていません。
'adb' は、内部コマンドまたは外部コマンド、 操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません。
改めて、お使いのパソコンでの設定状況を確認して下さい。
また、パソコンとAndroidを接続するケーブルが必要です。
スマートフォンのUSB端子形状(micro USB / Type C)に合わせ用意しましょう。
2. 開発者向けオプションでUSBデバッグを有効にする
Androidで設定の システム から 開発者向けオプション を開き、
初めて開発者向けオプションを使う場合、デバイス情報の ビルド番号 を連続タップして、メニューを表示させて下さい。
詳細は関連記事【Androidの開発者向けオプションを表示/非表示にする方法! デベロッパーモードで隠れ機能を使おう】で解説しています。
USBデバッグを有効にします。
USBデバッグの特徴・リスクについては、関連記事【AndroidでUSBデバッグを有効/無効にする方法! 設定をオンオフ切り替えよう】で解説しています。
この状態でAndroidとパソコンをUSB接続します。
もしUSB接続の選択画面が出る場合、「ファイル転送モード」を選べばOK。
3. adb devicesで接続確認する
adb環境を用意したパソコンで、次のコマンドを実行します。
adb devices
次のようなメッセージが表示され、接続したAndroid実機を認識できればOKです。
List of devices attached xxx(デバイス情報) device
なお初めて接続するパソコンの場合、Android側で下記メッセージが出るので、このパソコンからのUSBデバッグを常に許可する にチェックを入れましょう。
USBデバッグを許可しますか? このパソコンのRSAキーのフィンガープリント:
一方、次のメッセージが出る場合、Android実機を認識できていません。
List of devices attached xxx(デバイス情報) unauthorized
次の2点が原因であるケースが多いので、確認して下さい。
- AndroidのUSBデバッグを有効にしているか
- 「このパソコンからのUSBデバッグを常に許可する」にチェックを入れたか
adbコマンドの主要なエラーについて、詳細を関連記事【adbコマンドでエラーが出る原因まとめ! adb/fastboot devicesの認識されない問題を解決しよう】で解説しています。
以上が、adbコマンドを使用する事前準備です。
事前準備②:初期設定を行う
Custom Navigation Barの画面に従い、「Grant permission(権限付与)」ページまで進みます。
Grant using PC を選択すると、パソコンでadbコマンドを使用するガイダンスが表示されます。
ここで次のadbコマンドを実行しましょう。
adb shell pm grant xyz.paphonb.systemuituner android.permission.WRITE_SECURE_SETTINGS
検証のため「Compatibility test(互換性テスト)」をします。
ナビゲーションバーに矢印(→)アイコンが表示され、タップできれば成功です。
Custom Navigation Barのトップ画面が出れば、初期設定は以上です。
「Navigation bar」へ進むと、ナビゲーションバーに関する様々なカスタマイズが用意されています。
大きく2種別に分類できます。
種別 | カスタマイズ例 |
---|---|
①:ナビゲーションバーの デザインをカスタマイズ |
|
②:ナビゲーションバーに 新しい機能を追加 |
|
それぞれ分けて説明します。
使い方①:ナビゲーションバーのデザインをカスタマイズ
Custom Navigation Barの下記メニューでは、ナビゲーションバーの見た目を劇的に変更できます。
メニュー名 | カスタマイズ内容 |
---|---|
Layout | ボタンの配置を調整する |
Inverted | 戻るとタスクボタンを入れ替える |
Theme | ボタンのデザインを変更する |
Immersive mode | ステータスバーとナビゲーションバーを隠す |
Layout – ボタンの配置を調整する
ナビゲーションバーの配置について、数パターンからレイアウト変更できます。
有償版であれば、レイアウトの微調整も可能です。
Inverted – 戻るとタスクボタンを入れ替える
◀戻る・■最近(タスク)ボタンの位置を入れ替えます。
Theme – ボタンのデザインを変更する
3ボタン(◉ホーム / ◀戻る / ■最近)のデザインを変更できます。
注意点として、あくまで見た目を変えるだけで、機能はそのままです。
Immersive mode – ステータスバーとナビゲーションバーを隠す
下記3メニューを有効にすれば、ステータスバーとナビゲーションバーを隠した全画面表示へ切り替わります。
- Change immersive settings
- Hide status bar
- Hide navigation bar
またトップ画面の Immersive mode より、特定アプリのみ適用させることもできます。
使い方②:ナビゲーションバーに新しい機能を追加
Custom Navigation Barの下記メニューでは、3ボタン(◉ホーム / ◀戻る / ■最近)の機能を拡張できます。
メニュー名 | カスタマイズ内容 |
---|---|
Experimental tweaks | ボタンの機能を変更する |
Extra button | 新しいボタンを追加する |
Experimental tweaks – ボタンの機能を変更する
3ボタン(◉ホーム / ◀戻る / ■最近)を別の機能へ置き換えできます。
例えば◀戻るボタンを「Take screenshot」に変えると、ボタンタップでスクリーンショット撮影できます。
さらに「Keycode」を選ぶと、より詳細に機能とアイコンをカスタマイズ可能です。
自分好みの組み合わせを探してみて下さい。
Extra button – 新しいボタンを追加する
3ボタン(◉ホーム / ◀戻る / ■最近)とは別に、4つ目・5つ目のボタンを追加できます。
自分好みの組み合わせを探してみて下さい。
なお「Launch app」では、初回のみボタンをタップすると「アプリケーションを選択」が表示されるので、Custom Navigation Barを 常時 選択すればOKです。
以上、Custom Navigation Barの主要機能の紹介でした。
なお説明は割愛しましたが、ほかにもTaskerと連携した自動化設定などもあります。
参考:Custom Navigation Barの欠点
便利なCustom Navigation Barですが、あくまでサードパーティ製アプリという点より、次の弱点があります。
- 新しいボタン機能の動作が不安定
- 白色背景だと変更したアイコンが見えない
- アンインストール時はすべての機能をリセットする必要がある
弱点①:新しいボタン機能の動作が不安定
Custom Navigation Barでは、通常の3ボタン(◉ホーム / ◀戻る / ■最近)とは別に、新しいボタン機能を設定できます。
様々な機能が用意されていますが、一方で動作しないケースも珍しくありません。
弱点②:白色背景だと変更したアイコンが見えない
Custom Navigation Barでは、通常の3ボタン(◉ホーム / ◀戻る / ■最近)のデザインを変更できます。
が、いずれも白色のみ用意されているため、ナビゲーションバーの背景が白となるアプリでは見えなくなります。
一応、ナビゲーションバーの背景色を変更する別アプリ(例:Navbar Apps)と組み合わせる対策もあります。
弱点③:アンインストール時はすべての機能をリセットする必要がある
Custom Navigation Barで設定した機能は、トップ画面の Reset メニューより初期化できます。
注意点として、初期値に戻さずにCustom Navigation Bar自体をアンインストールすると、ナビゲーションバーはそのまま変更状態で残ってしまいます。
もう一度アプリを入れ直せば解決しますが、面倒なので気をつけましょう。
補足:ナビゲーションバーをカスタマイズする方法アレコレ
例えばナビゲーションバーの色を変えたい場合、Navbar Appsというアプリが便利です。
さらにユニークな機能が搭載されます。
- ナビゲーションバーの背景画像を変える
- ナビゲーションバーに絵文字を表示する
- 画面全体にデコレーションを加える
▼ナビゲーションバーの背景画像を変える
▼ナビゲーションバーに絵文字を表示する
▼画面全体にデコレーションを加える
Navbar Appsの詳細情報は、関連記事【Androidでナビゲーションバーの色をカスタマイズする方法! ボタンのデザインを変更しよう】で解説しています。
このようなナビゲーションバーをカスタマイズする様々な情報をまとめて、関連記事【Androidでナビゲーションバーのカスタマイズ方法まとめ! 画面下ボタンの見た目や機能を変えよう】で解説しています。
〆:ナビゲーションバーが劇的に使いやすくする!
以上、Custom Navigation Barの使い方! Androidのナビゲーションバーをカスタマイズする無料アプリ の説明でした。
adbコマンドの用意など、初期設定が少し大変ですが、一度設定できればナビゲーションバーの使い勝手が劇的に向上します。
お持ちのスマートフォンがCustom Navigation Barに対応していれば、お試しあれ。
コメント
詳細な説明ありがとうございます。
Extra buttonでLaunch APPから起動アプリを登録したのですが、実際に押してみるとうまく起動できません。指定したアプリではなく、「アプリケーションを選択」のポップアップが出てしまいます。
(しかも、一覧は全てではなく、適当なカテゴリのアプリのみです。左はブラウザとCustom Navigation Bar、右はGmailとCustom Navigation Bar)
どうすれば意図したとおりに設定できるでしょうか?
アプリ側の仕様で、初回のみ「アプリケーションを選択」が表示されるようです。
Custom Navigation Barで「常時」を選べば、その後は意図したとおり起動できると思います。
※記事中にも本件追記しました
Galaxyについては設定からナビゲーションバーを表示することで利用可能になる可能性があります
ナビゲーションバー関連のアプリの共存は可能でしょうか?
アプリによると思います。
例えばカラー変更するNavbar Appsで試したところ、共存しました。
使ってみたいアプリで、ご自身で試してみて下さい。
※ナビゲーションバー関連のアプリは、画面オーバーレイ系統のものが多いため、それらとは(おそらく)共存できないような気がします・・・