Androidの次期最新OS「Android O」では、「ナビゲーションバー」のカスタマイズが標準機能として用意されており、ボタン配置を変えたり、新たなボタンを追加することもできます。
参考 juggly.cn – Android Oの新機能 : ナビゲーションバーのカスタマイズが可能に
【ナビゲーションバーとは】 – Androidで基本3ボタン(ホーム / 戻る / タスク)が表示される領域のこと。
特に最近のスマートフォンで多い「ハードキーを持たない端末」において、画面上にその代わりとなる「ナビゲーションバー」が配置されています。
が、実はこの次期機能、既存のAndroid 7.0 Nougat(ヌガー)でも、とあるアプリとadb操作環境さえ準備できれば、導入することができます。もちろんroot不要。
そこで本記事では、Androidのナビゲーションバーを劇的にカスタマイズできるアプリ「Custom Navigation Bar」を紹介します。
ナビゲーションバーのボタン配置を変更したり、新しいボタンを追加できるほか、ステータスバーやナビゲーションバーを隠したりもできるなど、Androidの見た目を大きく変更できます。
Custom Navigation Bar – 使い方
アプリを使う事前準備をする
「Custom Navigation Bar」を使用する前の準備として次の2点を実施します。
- adbコマンドの環境を用意する
- 「USBデバッグ」をオンにする
- USBケーブルを用意する
adbコマンドの環境を用意する
今回紹介する「Custom Navigation Bar」は、Androidのroot化やXposed機能は不要な手軽に利用できるアプリとなっていますが、その代わりパソコンとAndroidを接続してadbコマンドを打つ必要があります。
Windows・Macそれぞれでadbコマンド環境を用意する手順は関連記事で解説しています。


「USBデバッグ」をオンにする
Android側でUSBデバッグを有効にして下さい。
事前に「開発者向けオプション」を表示した上で、

「設定」→「開発者向けオプション」より、「USBデバッグ」をオンにすればOK。
より詳細な手順やUSBデバッグの特徴・リスクについては、関連記事【AndroidでUSBデバッグを有効にする方法! 設定を解除する手順やリスクを解説】で解説しています。

USBケーブルを用意する
今回の方法ではパソコンとAndroidを接続するケーブルも必要です。
AndroidのUSB端子の形状(micro USB / Type C)に合わせ、ご準備下さい。
アプリの初期設定を行う
さっそく「Custom Navigation Bar」を起動し「GET STARTED」をタップすると初期設定の開始となります。
パソコンとAndroidを接続し、パソコン側ではadbコマンドを操作する準備をします。

例えばボクはMacのターミナルでadb操作を行った。
パソコンと接続した際、Android機種によっては「USBデバッグを許可しますか?」と表示されるので、許可を選択します。

例えばXperiaでは表示された。
次に下記コマンドを入力して、adbでシェルを起動。
adb shell
そして下記コマンドを入力して、アクセス権限を付与します。
pm grant xyz.paphonb.systemuituner android.permission.WRITE_SECURE_SETTINGS
その後Android側で初期設定画面を進んでいき、「Compatibility test(対応テスト)」にてナビゲーションバーに矢印(→)アイコンが表示されタップできれば成功です。
ボクの所有しているAndroid 7.0対応の機種の場合、Nexus 6PとXperia X Performanceは対応していましたが、Galaxy S7 edgeは非対応でした。
最後に「All done」と表示され、アプリ設定画面となれば初期設定は以上となります。
ナビゲーションバーをカスタマイズする
アプリトップ画面より「Navigation bar」へ進むと、ナビゲーションバーに関する様々なカスタマイズが用意されています。
下記より、その中でも無料で使える基本的な機能を紹介します。
Layout – ナビゲーションバーの配置を調整する
「Layout」へ進むと、ナビゲーションバーの配置について6種類からレイアウト変更ができます。
デフォルトの「Normal」から、左寄りの「Left-leaning」、右寄りの「Right-leaning」、中央に集めた「Compact」などなど、自身の使い方に合わせてカスタマイズできます。
Inverted – 戻るとタスクボタンを入れ替える
「Inverted」トグルをオンにすると、「戻る」ボタンと「タスク」ボタンの位置を入れ替えることができます。
「戻るタスクボタンの入れ替え」機能だけを実現したければ、「All in one Gestures」というアプリを使った方がカンタンでオススメです。
詳細は関連記事【Galaxyで戻る/タスクボタンの位置を入れ替える方法! 左右のナビゲーションバーを逆にしてAndroid標準配置としよう】で解説しています。

Experimental tweaks – カスタムボタンへ変更する
「Experimental tweaks」へ進むと、既存の「ホーム / 戻る / タスク」ボタンについて、別のボタンへ変更することができます。
例えば、
- 「戻る」ボタン→「ホーム」ボタンへ変更
- 「ホーム」ボタン→「戻る」ボタンへ変更
- 「タスク」ボタン→「戻る」ボタンへ変更
とすると、ナビゲーションバーの左端に「ホーム」ボタンを配置し、中央と右端に2つの「戻る」ボタンを配置する、といったことも可能。
組み合わせは自由自在です。
Immersive mode – ステータスバーとナビゲーションバーを隠す
「Change immersive settings」トグルをオンにし、それぞれ「Hide status bar」と「Hide navbar」トグルを有効にすると、上部・下部に表示されてるステータスバーとナビゲーションバーを隠すことができます。
例えばホーム画面の場合、通常時と比べステータスバーとナビゲーションバーを隠すことで、より画面が広くなった気がします。
さらにこの機能は、ステータスバーとナビゲーションバーを「非表示」にするのではなく、あくまで「隠す」だけなので、上部または下部を上下にスワイプすることで、一時的に表示させることができます。
従って、例えば普段はナビゲーションバーを隠しておき、「戻る」や「タスク」ボタンを使いたい時は、一時的に表示させてタップすればいつも通り機能します。
Android 6.0以降の標準設定として、ステータスバーのアイコンを非表示にする機能はありますが、

今回の「Immersive mode」ではステータスバーの領域ごと隠すことができるので、その分画面をより広く表示させることができます。
もしここで紹介した「ステータスバーとナビゲーションバーを隠して全画面表示させる」だけを実現したいなら、「Hide System Bar」というアプリがカンタンでオススメです。
本記事の「Custom Navigation Bar」とは違って複雑な事前準備不要で、アプリをインストールするだけです。
詳細は関連記事【Androidを強制的に全画面表示する方法! ステータスバーとナビゲーションバーを隠してフルスクリーンモードへ】で解説しています。

Extra button – ナビゲーションバーのボタンを追加する
「Extra left / right button」より、基本3ボタン(ホーム / 戻る / タスク)とは別に、さらに最大2ボタンをナビゲーションバーに追加することができます。
例えば「Extra left button」で、「Type」を「Notifications」、「Icon」を「Chevron down」とすると、
ナビゲーションの左端に新しいアイコンが追加され、タップすると通知領域を表示させることができるようになります。
「Type」では他にも「Media volume dialog(音量調整バーの表示)」や「Launch app(特定アプリの起動)」など、様々な機能から設定することができるので、自分だけのナビゲーションバーへカスタマイズ可能です。

ボクの例。左端に「Notifications」を、右端に「設定」アプリを配置してる。
Normalize button size – ボタン間隔を統一する
最後に、「Normalize button size」トグルを有効にすることで、ナビゲーションバーに並ぶボタンの間隔を統一することができます。
「Layout」のナビゲーションバー配置や「Extra button」のボタン数などの設定によって表示の仕方が変わりますが、例えば前者をデフォルトの「Normal」、後者でボタン追加している場合に、「Normalize button size」を有効にすることで5つのボタンを綺麗な間隔で並べることができます。
Profiles – 状況に応じてパターンを設定しておく
ナビゲーションバーの配置を変えたりボタンを追加しても、Androidを利用する状況によってその内容を変更したい場合、その度に設定を変えるのは非常に面倒ですよね。
そこで便利なのが「Profiles」設定で、右上+(プラス)ボタンより設定パターンをいくつも用意しておくことで、
状況に応じてナビゲーションバーを変更するのがラクになります。
初期設定に戻す
「Custom Navigation Bar」アプリでカスタマイズしたナビゲーションバーの設定は、トップを画面右上メニューの「Reset」より初期設定に戻すことができます。
上記手順で「Reset」を行わず、「Custom Navigation Bar」アプリをアンインストールした場合に、カスタマイズしたナビゲーションバーは元に戻らず変更されたままとなります。
もちろん、もう一度「Custom Navigation Bar」アプリを入れ直すことで解決できますが、面倒なので注意して下さい。
補足:そのほかナビゲーションバーをカスタマイズするアプリまとめ
今回取り上げた以外にも、Androidのナビゲーションバーをカスタマイズするアプリは沢山あります。
例えば、「Muviz」というアプリを使えば、流れている音楽に合わせてお洒落なビジュアライザーをナビゲーションバー上で表示することができます。

また「Navbar Apps」というアプリを使えば、起動するアプリに合わせて自動的にカラフルなナビゲーションバーへ変化させることが可能です。

このようなナビゲーションバーをカスタマイズする方法はまとめて、関連記事【Androidでナビゲーションバーのカスタマイズ方法まとめ! 見た目や機能性を劇的に変えよう】で解説しています。

〆:ナビゲーションバーが劇的に使いやすくする!
以上、Androidのナビゲーションバーにボタンを追加する方法! アイコン配置変更や機能カスタマイズしよう の說明でした。
adbコマンド環境の用意など、「Custom Navigation Bar」アプリをインストールするまでの準備が少し面倒ですが、一度設定できればナビゲーションバーの使い勝手が劇的に向上します。
もしお持ちのAndroid機種がアプリに対応していれば、ぜひ一度お試しあれ。
コメント