Androidでは、画面上に複数アプリを表示するマルチウィンドウ機能が3種類あります。
名称 | 機能 | 1画面のアプリ数 | OS要件 |
---|---|---|---|
分割画面モード | 画面を2つに分割してアプリを表示 | 2つまで | Android 7.0以上 |
ピクチャー イン ピクチャー モード | 画面の端に小窓を出してアプリを表示 | 2つまで | Android 8.0以上 |
フリーフォームモード | アプリをウインドウ化して画面に複数表示 | 制限なし | Android 7.0以上 |
このうち、本記事では「フリーフォームモード」について紹介します。
パソコンのようにアプリをウインドウ化する機能で、次の特徴があります。
- 1画面に3以上のアプリウインドウを同時表示できる
- ウインドウの位置は自由に移動できる
- ウインドウのサイズは自由に調整できる
画面サイズの大きなAndroid端末(例:タブレット)で活躍します。

フリーフォームモードで1画面にChrome・マップ・YouTubeを同時表示した例。
「フリーフォームモード」は、主に2パターンの手順で有効にできます。
方法 | メリット |
---|---|
PCのadbコマンドを使う | アプリのインストールが要らない |
Taskbarアプリを使う | パソコンが要らない(Android 8以降は除く) |
それぞれ順番に解説します。
「分割画面モード」と「ピクチャー イン ピクチャー(PIP)モード」については、それぞれ関連記事で解説しています。


adbコマンドでAndroidのフリーフォームモードを有効にする方法
パソコンのadb環境があれば、アプリ不要で「フリーフォームモード」を使えます。
- 手順①開発者向けオプションでUSBデバッグを有効にする
- 手順②PCでAndroid adb環境を用意する
- 手順③adbコマンドを入力する
- 手順④Androidを再起動する
- 手順⑤複数アプリウインドウを開く
- 参考フリーフォームモードを無効化する方法
手順①:開発者向けオプションでUSBデバッグを有効にする
設定で ビルド番号 を連続タップして 開発者向けオプション を有効にした後、USBデバッグ を有効にして下さい。
より詳細な手順は、関連記事【AndroidでUSBデバッグを有効にする方法! 設定を解除する手順やリスクを解説】で解説しています。

手順②:PCでAndroid adb環境を用意する
お使いのパソコンでadbコマンドを使用できる環境を用意して下さい。
Windows・Macそれぞれにおける手順は関連記事で解説しています。


またパソコンとAndroidを接続するケーブルも必要です。
AndroidのUSB端子の形状(micro USB / Type C)に合わせ、ご準備下さい。
手順③:adbコマンドを入力する
AndroidとパソコンをUSB接続の上、下記adbコマンドを実行します。
adb shell settings put global enable_freeform_support 1
手順④:Androidを再起動する
Androidを再起動した後、タスクボタンを押して各アプリにフリーフォームモードアイコンが表示されれば成功です。

(右)Chromeのアプリウインドウに表示されたフリーフォームモードアイコンの例
手順⑤:複数アプリウインドウを開く
フリーフォームモードアイコンをタップすれば、そのアプリをウインドウ化できます。
続けて、2つ目・3つ目のアプリでフリーフォームモードアイコンを実行すれば、画面内にいくつもウインドウを開くことができます。

(左)Chromeをウインドウ化した例 (右)Chrome・設定・Playストアを並べた例
参考:フリーフォームモードを無効化する方法
元の状態へ戻すため、「フリーフォームモード」を無効化したいなら下記コマンドを実行すればOK。
adb shell settings delete global enable_freeform_support
Androidを再起動した後、タスクボタンを押して各アプリからフリーフォームモードアイコンが消えていれば成功です。
TaskbarでAndroidのフリーフォームモードを有効にする方法
アプリTaskbarを使えば、パソコン不要でAndroid上の操作だけで「フリーフォームモード」を設定できます。
ただAndroid 8.0以降の場合、結局はadbコマンドの入力が必須となるため、あまりメリットがありません。
本項目では次の流れで説明をします。
- 手順①Taskbarを有効にする(全OS共通)
- 手順②-1フリーフォーム ウインドウ サポートを有効にする(Android 〜7.x向け)
- 手順②-2フリーフォーム ウインドウ サポートを有効にする(Android 8.x〜向け)
- 手順③Taskbarで複数アプリウインドウを開く(全OS共通)
- 参考Taskbarのその他カスタマイズ項目(全OS共通)
手順①:Taskbarを有効にする(全OS共通)
Taskbarを起動後、画面右上にあるトグルをタップして、アプリを有効にします。
途中、他のアプリの上に表示 や 使用状況へのアクセス など権限付与を求められた場合は、合わせて有効にして下さい。
次に フリーフォームモード で フリーフォーム ウインドウ サポート にチェックを入れます。
この後の流れが、Android OSバージョンによって大きく異なるため、2パターンに分けて解説します。
- Android 〜7.xの機種
- Android 8.x〜の機種
手順②-1:フリーフォームウインドウサポートを有効にする(Android 〜7.x向け)
OSバージョンがAndroid 7.0以前の場合、次の操作が必要です。
- 手順①開発者向けオプションでアクティビティサイズの変更を有効にする
- 手順②Androidを再起動する
パソコンは不要で、すべてAndroid上の操作で完結します。
手順①:開発者向けオプションでアクティビティサイズの変更を有効にする
設定で ビルド番号 を連続タップして 開発者向けオプション を有効にした後、アクティビティをサイズ変更可能にする を有効にして下さい。
開発者向けオプションの詳細は、関連記事【Android「開発者向けオプション」の基本と表示/非表示にする方法まとめ! デベロッパーモードで隠れ機能を使おう】で解説しています。

手順②:Androidを再起動する
Androidを再起動した後、Taskbarで フリーフォーム ウインドウ サポート にチェックを入れることができれば成功です。
手順②-2:フリーフォームウインドウサポートを有効にする(Android 8.x〜向け)
OSバージョンがAndroid 8.0以降の場合、次の操作が必要です。
- 手順①開発者向けオプションでUSBデバッグを有効にする
- 手順②PCでAndroid adb環境を用意する
- 手順③adbコマンドを入力する
- 手順④Androidを再起動する
この操作内容は、先述した「adbコマンドでフリーフォームモードを有効にする方法」とまったく同じです。詳細はそちらをご覧下さい。
adbコマンドを実行して、Androidを再起動した後、Taskbarで フリーフォーム ウインドウ サポート にチェックを入れることができれば成功です。
手順③:Taskbarで複数アプリウインドウを開く(全OS共通)
Android OSバージョンごと最適な方法で フリーフォーム ウインドウ サポート にチェックが入れば、Taskbarでアプリをウインドウ化できます。
事前にタスクボタンより開いているアプリ一覧をすべて消去します。
後は画面に常駐するフローティングアイコンより任意のアプリをタップすれば、独立したウインドウで起動します。

(右)Chromeを独立表示した例
この状態で、2つ目・3つ目のアプリを選ぶと、画面内にいくつもウインドウを開くことができます。

Chrome・設定・Playストアと同時表示した例。
参考:Taskbarのその他カスタマイズ項目(全OS共通)
Taskbarの 全般 では機能や外観を細かくカスタマイズできます。
一例として下記項目を紹介します。
- スタートメニューのレイアウトを変える
- フローティングアイコンの位置を変える
スタートメニューのレイアウトを変える
スタートメニューのレイアウト より表示形式を「リスト」または「グリッド」から選択できます。
スタートメニューとは、フローティングアイコンで表示される
アプリ一覧のことで、デフォルトでは「グリッド」となっています。
フローティングアイコンの位置を変える
画面での位置 では、フローティングアイコンの位置を調整できます。
左下・右下・左上・右上にそれぞれ横・縦の計8パターンからカスタマイズできます。

デフォルトでは”左下(横)”が設定されている。
例えば「左上・縦」と「右上・横」だと下記のような位置となります。
フリーフォームモード中のアプリウインドウの操作方法
「フリーフォームモード」で表示したウインドウの操作方法を解説します。
- 説明①アプリウインドウを移動する手順
- 説明②アプリウインドウを拡大/縮小する手順
- 説明③アプリウインドウを閉じる手順
- 説明④フリーフォームモードを解除する手順
アプリウインドウを移動する手順
ドラッグで画面上の好きな場所へ移動できます。ウインドウ同士が重なっても問題ありません。
アプリウインドウを拡大/縮小する手順
ウインドウ端をドラッグで好きな大きさへ調整できます。
アプリウインドウを閉じる手順
バツアイコンをタップすれば、個別にウインドウを閉じることが可能です。
数が多い場合、タスクボタンより すべて削除 を実行すれば複数ウインドウが消去されます。
フリーフォームモードを解除する手順
拡大アイコンをタップすれば、そのアプリは通常サイズに戻ります。
補足:
Androidのウィジェットを常に表示する方法
Androidでは様々なウィジェットをホーム画面に配置できますが、任意のアプリを起動している最中は内容を確認できません。
そこでアプリOverlaysを使えば、どんな画面でもウィジェットを最前面に常駐できます。

左がホーム画面上、右がInstagram上でウィジェットが表示される例。
少しマニアックなニーズですが、このようなアプリをお探しであればぜひお試し下さい。
設定方法の詳細について、関連記事【Androidでウィジェットを常に前面表示する方法! アプリ起動中も重ねてオーバーレイで配置できる】で解説しています。

Androidの便利なマルチタスク機能まとめ
「1つの作業をしながら別の作業を行う」マルチタスクに関する豆知識をまとめて、関連記事【Androidの便利なマルチタスク機能まとめ! 複数アプリを同時に動かす生産性の高い裏ワザ】で解説しています。

〆:画面の大きいAndroidデバイスで大活躍!
以上、AndroidのTaskbarでフリーフォームモードを設定する方法! フローティングウィンドウでアプリを独立表示しよう の説明でした。
「フリーフォームモード」を有効化すればアプリをウインドウ化できるため、画面の大きなタブレット端末や6インチ以上のスマートフォンで活躍します。
ぜひお試しあれ。
コメント
「Taskbar」の設定
Android8で導入しようと思いインストールしましたが、
記載どおり進めても
「開発者向けオプション」の「アクティビティをサイズ変更可能にする」にチェックを入れ、一度Androidを再起動します。
その後再び「Taskbar」を開き、「フリーフォームモード」内のすべてにチェックを入れます。
ここで、つまずきます。
チェックを入れることができませんでした。
開発者オプションを開くのポップアップが開き次に進めません。
仕様が変わったのでしょうか?
ご指摘ありがとうございます。どうやら仕様が変わったようです。
Android 8.x〜の場合、パソコンのadb環境を用意の上、adbコマンドを入力しないとフリーフォームモードを有効にできません。
詳細は記事中に追記しました。
こんにちは。
お世話になります。
手順③:adbコマンドを入力する
のあとは、何か文字列(completed等)がコマンドラインに表示されますでしょうか?
ここまで完了できたのですが、いざ端末を再起動すると、フリーフォームアイコンが表示されていません。
通常通り(Huawei製端末独自仕様かもしれませんが)、画面分割アイコン、南京錠アイコン、×(閉じる)アイコンのみ表示されています。
何かアイディアはありますでしょうか。
(追伸)
コマンドライン
abd devices
から、端末が接続されている(ように見える)ことは確認済みです。
上記補足します。
上記コマンドは通っているようですが、フリーフォームウィンドウのアイコンが正常に表示されていないようです。
freeformオン時には、freeformアイコンが表示されず、
代わりに最も右側にある×(閉じる)アイコンの表示に乱れがが発生します。
これをタップすると、ウィンドウを閉じる挙動になります。
freeformオフへ戻すと、上記の×(閉じる)アイコンの表示は正常になります。
こちらの対処法など、お分かりになりますでしょうか?
コマンドがエラー出なければ通っているようです。
「Taskbar」アプリのランチャーを長押しして、「標準」とかを選ぶとウィンドウで上がってきます。
が、Huawei Mate 9では、動作安定しませんでした。